ガッツワールド大阪ラスト大会
『ガッツワールド vol.116 大阪武骨終焉』
▽1日 大阪市立都島区民センター 観衆331人(超満員札止め)
4月15日の解散興行(新宿FACE)をもって、13年4カ月にわたる歴史に幕を閉じるプロレス団体・ガッツワールド(ガッツ石島代表)が1日、最後の大阪大会を開催した。
地元大阪出身でガッツワールド所属の女子プロレスラー、ドレイク森松プロデュースの大阪大会は今回で4回目。昨年12月、突然の解散発表をしたガッツワールドを最後に一目見ようと、大阪大会初となる300人超の動員を記録。用意したチケットは当日販売分も含めてすべて売り切れたという。
今大会には昨年の大会で好評だった豊田真奈美(昨年引退)に続き、ドレイクのタッグパートナーの“レジェンド枠”として、豊田と同じく全日本女子プロレス出身の井上貴子が“代名詞”のスタンガンを片手に参戦。ダブルメインイベント第1試合にラインナップされた貴子は、スタンガンをパチパチさせ、振り回しながら入場すると会場からはどよめきが起こった。
対戦相手の救世忍者乱丸とハイビスカスみぃはこれに戦意喪失。わずか1分で乱丸が貴子にフォール負けを喫した。「私が試合をしてない」と納得がいかないドレイクは再戦を要求すると、乱丸組は「ダンス対決ならやってやる」と理不尽な返答。ドレイクは拒んだが貴子が意外にもあっさりと乗ったため、バブリーダンス対決に移行した。ダンス対決は乱丸組が勝利した。
それでも「プロレスの試合をやりたい」と食い下がるドレイクに対し、今度は「3対1のハンディキャップマッチなら」と乱丸組は貴子を引き入れた。これにドレイクの闘志に火をつけたようで、最後はドレイクドライバーでドレイクは乱丸からフォール勝ち。地元ファンの期待に応えた。試合後には貴子も「私はこういうの、嫌いじゃない」と満足気な表情を浮かべていた。
ダブルメインイベント第2試合は、ガッツワールド解散と時を同じくしてラストマッチに臨むことが決まっているレスラー、ミスター雁之助が登場。松田慶三、翔太とトリオを結成。GWC認定シングル王者のガッツ石島、ドラゴンゲートの新井健一郎、GWC認定タッグ、WDW、VKFの三冠王・道頓堀プロレスTORUと対戦した。
関係者の話によると同カードが実現したのは、TORUが「引退前に、まだ対戦していない雁之助さんと闘いたい」と対戦を望んでいたことが要因の一つ。加えて、普段は雁之助とガッツ、翔太とアラケンが同じユニットに属しているため、東京では見られないレアなカードを最後の大阪大会で組むことにしたという。
TORUと阿部史典はガッツワールド解散興行で、翔太&アラケンを相手にGWCタッグ王座(ガッツワールド解散とともに封印)の最後の防衛戦を行う。翔太とはタッグ戦の前哨戦となった。試合は雁之助とガッツがドロップキックで会場をどよめかせるなど、迫力満点かつハイレベルで中身の濃い6選手のノンストップバトルを繰り広げ、会場のボルテージは最高潮に達した。最後はターザン後藤直系レスラーのガッツが、フェイスバスターで松田を仕留めて3カウント。GWCシングル王者として、またガッツワールドの代表としてきっちりと責任を果たした。
全試合終了後、所属選手をリングに呼び込んだドレイクは、一人一人に熱いメッセージを送り、会場は感動ムードに覆われた。FMW時代の後輩だった雁之助が引退すると聞いたドレイクは「私も引退しようかな」と一瞬思ったそうだが、今後も自身は活動することを発表。ドレイクは「これからは、この都島区を中心にプロレスを盛り上げていきたい」と表明すると、会場からは大きな拍手と声援が送られた。ドレイクは涙をこらえながら、出場選手とともにガッツルポーズで大会を締めた。
ガッツワールドはこれで14日の解散興行を残すだけとなった。同大会では、ガッツがマスクドミステリーの挑戦を受けるGWCシングル王座戦や、ミスター雁之助が影山道雄とタッグを組み、藤波辰爾&ヒロ齋藤を相手にラストマッチを行うことが決定している。
▼ダブルメインイベント第1試合「Guts女子プロレススペシャルタッグマッチ」(60分1本勝負)
○井上貴子&ドレイク森松(1分0秒、横入り式エビ固め)救世忍者 乱丸●&ハイビスカスみぃ
◎延長戦 ダンス対決
○救世忍者 乱丸&ハイビスカスみぃ(判定勝ち)井上貴子&ドレイク森松●
◎再延長戦 ハンディキャップマッチ(60分1本勝負)
○ドレイク森松(5分48秒 片エビ固め)救世忍者 乱丸●&ハイビスカスみぃ&井上貴子
※ドレイクドライバー
▼ダブルメインイベント第2試合「大阪武骨終焉スペシャル6人タッグマッチ」(60分1本勝負)
○ガッツ石島&新井健一郎&TORU (18分44秒 体固め)ミスター雁之助&松田慶三●&翔太
※フェイスバスター
取材・文・写真 / どら増田