2人以外にユンケル黄帝液のCMに起用された顔ぶれは、ガッツ石松、山城新伍、藤村俊二と、総じて個性の強いタレントばかり。イチローの場合、この面子にそぐわないのは一目瞭然だが、それでも培ってきた商品のカラーというものがあり、いかに国民的スーパースターといえども、それらしい三枚目の演技が要求される。
「イチローはサービス精神旺盛だし、CMディレクターの注文通りに演じているんだと思うけど、正直、ダサい」(自営業・50歳)
批判が集中しているCMは、イチローの珍しい右打席入りが見られる『2人のイチロー バッターボックス篇』だ。スーツ姿で打席に入ったイチローの元に、もう一人のイチローが登場して「疲れてません?」と問いかける。
スーツ姿のイチローは「いいえ、全然」と答えるが、右打席に入っていることを指摘されると、いきなり「ぅうっそぉ〜ん!?」とすっとんきょうな声を上げるのだ。
見方によっては、そのギャップが面白いということになるのだろうが、本誌アンケートを見る限り、そんな捉え方をしている読者は皆無。むしろイチローの評価を著しく下げている。
「イチローの場合はそんな印象ではなかったのですが、やっぱり“昭和の野球人”なんだなぁと実感しました」(主婦・26歳)
MLB殿堂入りよりも昭和名球会の方が、イチローも居心地がいいのかもしれない。
続いて4位に選ばれたのは、会員制ショッピングサイト『グランムールセールス』の流行に安易に乗っかったCM。お笑いコンビ・クマムシの歌ネタを使用し、絶倫オーラで主婦層をメロメロにしている斎藤工が、「♪あったかいんだからぁ」のフレーズに合わせて、女性を後ろから抱きしめるという内容だ。
「ネタそのものの笑いどころが分からないのに、バラエティー番組やCMでしょっちゅう耳にすると、もう“押し売り”みたいで辟易します」(主婦・36歳)
この猛暑のせいか、クマムシ自体をあまり見かけなくなった気がするが、もしかして涼しくなると、またどこからか現れて、再び活発に活動するのだろうか?