6歳で初タイトル獲得の事実がそれを物語る。骨折をはじめ幾度となく脚部不安に見舞われ合計2年8カ月もの間、休養を余儀なくされている。陣営の苦労は言葉には尽くせないが、新潟大賞典で少しは報われた。
「ブランクが長かった分、(6歳馬といっても)心身ともにすごく若いですよ」と斉藤助手。苦労談を笑いに包めるほど、陣営のムードは明るい。〈7105〉とキャリアは3歳馬並み。サクセスストーリーはまだまだ序章に過ぎない。
重賞連覇に向け、ますます快調だ。3日に行われたWコースでの1週前追い切りでは5F67秒4、上がり37秒→12秒5を馬なりのままマーク。単走ながら躍動感あふれる動きで、周囲の目をくぎ付けにした。
手綱を取った斉藤助手も「テンションの高い馬だから、やり過ぎないように注意しました。落ち着いていたし、状態に関して不安な点は何もないです」と太鼓判を押した。
舞台が東京にかわるのもアドバンテージだ。過去に7戦5勝と自分の庭同然のコース。そのうち、1800メートルは2戦2勝とパーフェクトを誇る。
不安材料がないわけではない。「東京は(馬場に出るまでの)地下道が長いため、そこでテンションが高くなっちゃうんです」と斉藤助手。一抹の不安を残すが、「でも、これまでも、それで勝ってきてますから」と陣営は楽観的だ。
また、道悪馬場については「無難にこなせるけど、切れ味が武器の馬だから良馬場に越したことはない」と付け加える。
現時点で“死角”は見当たらず、陣営の期待は日に日に膨らんでいる。
「ここでしっかりと賞金を加算して、秋は天皇賞に挑戦したいですね」斉藤助手は、視線の先にGIを見据えていた。