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五輪・星野監督が巨人を救う!?

 開幕からいいところがない。優勝候補どころか、最下位にもなりかねない巨人。ロートル化、故障者続出、と希望がまったく持てない状況だが、五輪絡みで浮上するかも知れない。星野五輪監督の代表選手選考で助けられる可能性があるのだ。

 巨人の大物OBがバッサリと原巨人を切る。
 「野球になっていない。打たないときは負け、打ったときにやっと勝つといった戦いで、作戦のパターンが一つしかないのが勝てない理由だ。あの楽天が二流選手ばかりなのに勝っているのは野村(克也)がいくつもの戦い方を持っているから。原ではもう勝てない」
 なにしろ「1番は外さない」と言っていた高橋由の打順を、開幕して1カ月も経たないのに4番に変更するなど、見苦しいほどバタバタしている。投手の交代も「その場限りの起用」(担当記者)で、投手たちはいずれも調整に大慌てだそうである。
 このままでは「今年こそ日本一」(原監督)は夢のまた夢。リーグ優勝も怪しい。それどころか「最下位の可能性もある」(巨人OB)。ファンも「巨大戦力とか言われ、開幕から胸わくわくしていたのに…。さあ、来年、来年」と捨てゼリフを吐く。
 すっかり四面楚歌の状態にある巨人だが、見捨てる人ばかりではないようだ。
 「浮上できるきっかけが一つだけある。五輪派遣の選手選考だ。そう、星野監督のサジ加減」(五輪担当記者)
 現在、五輪代表の選手は77人の候補がいる。これを6月下旬に24人に絞る。“精鋭集団”だ。ここにポイントがある。
 「現状では、巨人選手はだれもいらない。たとえ上原を持っていっても、巨人の腹はそんなに痛まないでしょう。阿部で少々かな」と五輪関係者。
 となると、狙いは「セでは好調の阪神、中日の選手が中心になり、あとはダルビッシュなど有力なパの選手で固める」。
 強いチーム、とりわけ阪神、中日から主力がごっそり抜けるとあって、巨人としては戦いやすく巻き返すチャンスが生まれる。優勝争いに加わることもできる、という図式だ。
 候補選手を見ると、使えそうなのは中日の岩瀬、中田両投手、谷繁捕手、内野手の荒木、井端、森野、外野手の和田。阪神では藤川、久保田両投手、矢野捕手、内野手で新井、外野手で赤星。
 巨人は故障持ちの阿部捕手、小笠原内野手、外野手の谷、高橋由。この中で高橋由は元気だが、いつ故障が出るか分からない。投手も上原、高橋尚、内海と名を連ねているが、五輪で使える調子ではない。
 「五輪コーチの田淵(幸一)がテレビ解説で巨人打線を厳しく評価している。恐らく推薦できないと見ているのだろう。しかし誰も候補に挙げないわけにいかないので、若手を指名するだろうが…」(テレビ局記者)
 いずれにしても情報は逐一、星野監督のもとへ伝えられている。
 「星野監督は五輪で勝つことに執念を燃やしている。中日、阪神とも教え子が多いから選びやすい。それと巨人の原監督を個人的にかわいがっているし、支援する気持ちは十分あるはずだ」(ベテラン記者)
 星野監督にしても、五輪後の目標は巨人監督の就任といわれているから、五輪選考を利用して巨人に恩を売っておく。そんな気持ちがあっても不思議ではない。巨人に近いテレビ局にも出演しているし、周囲がそう見ても仕方がない。
 北京五輪はいま、聖火リレーで大騒ぎの真っ最中である。日本でのリレーは長野で間もなく行われる。星野監督も走者としてリレーする予定で、チベット問題など関係なくパフォーマンスを見せるはずだ。

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