ベイスターズ先発陣のクオリティースタート率は35%程度で、12球団ワースト。11位のヤクルトですら42%程度あることからも、いかにスターターが早い回での降板が続いているかがわかる。これは開幕時から先発陣に故障者が相次ぎ、経験の浅い若手ピッチャーを先発させたこともあり、100球前後の球数制限をかけたことも原因の一つである。
☆登板数ベスト10に4人
先発陣が早い回でマウンドを降りると、その分はもちろんブルペン陣にのし掛かってくる。既に30試合以上登板しているピッチャーは、35試合砂田毅樹、34試合エドウィン・エスコバー、33試合三上朋也、30試合三嶋一輝の4人で、いずれも登板回数のベスト10に入っている。
5月中盤には、この4名に井納翔一とスペンサー・パットンを含めた6人の防御率は2点台前半であったが、現在は、エスコバーを除いた5人の防御率が3点前後に悪化してしまった。
これには登板過多とともに、イニング途中や、回跨ぎも含まれ、また、ビハインドの場面でも黙々と投げ続けていたツケが回ってくるのはある種当然であろう。
典型的な試合になってしまったのが、7月3日のジャイアンツ戦。先発バリオスが6回74球で降板、2点リードの7回に三嶋が登板。二死を取ったがランナーを二人許したところで、田中健二朗にスイッチ。田中はフォアボールを与え満塁。すると、三上に交代するも、逆転打を喰らってしまい、後味の悪い敗戦となってしまった。
☆指揮官「踏ん張ってほしい」
ラミレス監督もリリーフ陣に疲れがあることは承知している。その上で「踏ん張って欲しい」とさらなる奮起を求めた。リリーフピッチャーにとって一番きついといわれるオールスター前。例年よりも早い梅雨明けで、猛暑も大敵となってくる。これ以上、ブルペン陣に負担を強いるよりも、打線と先発陣の奮起が必要ではなかろうか。実際4日の試合は、常にリードをキープし、先発ウィーランドが7回途中までイニングを稼いで、理想的な勝利をあげることができた。
解説者の谷繁元信氏などは、ラミレス采配批判が目につく。ファンの声も辛らつになってきた。しかし、去年日本シリーズまで進出させた手腕は事実。苦しい状況を、どのように打破するのか。指揮官の次の一手に期待したい。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘