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富士山をロックオンする「浅間山噴火」という引き金

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提供:週刊実話

 お盆直前の8月7日、浅間山の突然の噴火は1783年に1151人が死亡する大災害となった“天明噴火”が脳裏をよぎった。

 幸いにも噴火は小規模で、目立った被害はなかったが、これまでのような「前兆」が観測されず、いきなり噴火したことで火山学者の間に動揺が広がっている。

 防災ジャーナリストの渡辺実氏が言う。
「浅間山の事例を見て、予知の限界を感じた専門家もいたでしょう。御岳山の噴火では63人の死者・行方不明者が出ましたが、もし同じことが富士山で起こったら…」

 年間20万人の登山客が訪れる富士山。シーズン中は毎日、3000〜8000人の人が山頂を目指しているとされ、とくに夏休み中の今は、山頂付近に登頂者の“渋滞”が起こっているほどだ。そこで、なんの前触れもなく噴火が起きたら下山で大パニックになり、多くの犠牲者が出るだろう。

 地震学者で琉球大学名誉教授の木村政昭氏が言う。
「富士山は日本で最も監視体制が進んだ山ですから、何かあれば分かるはず。とはいえ、浅間山噴火、箱根山の状況を見ても分かるように、太平洋プレートが押してきているのは間違いありません。いずれ富士山が噴火すると考えている専門家も少なくないはずです。しかし、私は噴火の前に大きな地震があるような気がする。大島三原山の動向も気がかりです」

 木村氏が言うように、富士山の噴火の前には、周辺で火山活動が活発になり、地震なども起こると予測されている。
「1708年に起こった富士山の宝永大噴火は、宝永地震の49日後に発生しています。南海トラフや相模トラフを震源とする地震や近隣地域の地震、火山噴火の前後25年以内に、富士山に何らかの活動が発生している事例が多いのです」(サイエンスライター)

 浅間山噴火の前後には、福島や青森などで複数回、震度4〜5程度の地震も発生している。「富士山噴火」という最悪の事態の引き金とならなければいいが…。

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