ここは◎アドマイヤキッスの決め手が爆発します!
前走の安田記念はスタートを決め、中団のインで折り合って追走。道中はしっかりと脚をため、直線では持ち前の末脚を発揮。ジリジリ脚を伸ばして0秒4差4着に突っ込みました。内ラチ沿いはしっかり道が開いて前が詰まることなく追い出すことができましたし、すべてがうまくいったという感じ。とはいえ、一線級の牡馬を相手にしての結果ですから、素直に評価してもいいでしょう。
3歳クラシック路線を歩んできた昨年一年間はすべて牝馬重賞に出走。そのうちローズS、愛知杯の2つの重賞を制しました。とくに、愛知杯はスタート直後に一瞬、つまずきそうになりましたが、好位でうまく立ち回り、突き抜けるという強い内容。56kgのトップハンデを背負っていてもまったく関係ありませんでした。
その後はリフレッシュ放牧に出た後、マイラーズC4着を叩いて、ヴィクトリアマイルに挑みましたが、結果は0秒3差7着。この時はゲートもイマイチで流れに乗れないまま。最後は上がり3F33秒4の末脚を繰り出してはいますが、前が残る展開になってしまっては仕方ありません。デキも完調には手前といった感じで、追い切りでも本来のピリッとした走りが見られませんでしたからね。
でも、叩き3戦目…安田記念4着で復活への足掛かりをしっかりとつかみました。今回は前走に比べ、くみしやすいメンバー構成ですし、何といっても札幌1800mは2歳時に5馬身ぶっち切っている得意なコース。札幌は周知の通り、力のいる特殊な馬場。この重い洋芝での実績は、初コースの馬が多いなか、何よりも信頼が置けます。また、中京コースで2勝しているように、平坦馬場も向いています。
クイーンSは逃げ馬と相性のいいレースですが、今年は逃げ、先行馬が多く、乱ペースになる可能性も。でも、キッスは悪くいえば自分の戦法が決まっていない…良くいえば自在性を生かしてどこからでも競馬ができる強みがあります。流れに合わせて前につけることも可能ですし、前がやり合えば末脚を温存し、終いに懸けることもできます。
肝心の仕上がりも7月上旬には早々と札幌に入厩し、じっくりと乗られてきました。最終追いは気持ちを高ぶらせないように単走で追われ、ラスト1Fは12秒1でまとめました。キビキビとした伸びのあるフットワークは状態の良さを物語っています。
牡馬のトップマイラーたちとも互角に戦えるキッスなら、牝馬同士で条件がそろったここは負けられません。初勝利を上げたあの時の感覚を今、再び呼び起こします。