そもそも、ネクストジェネレーションを発掘するオーディション番組。前身は、有田のDNAが流れる“子ども”を見つけ、売り出そうという主旨の『有田チルドレン』だ。MCは有田。ゲストと長机で横一列に並んで座り、まさにオーディション形式で、ステージのネタ見せ若手芸人をジャッジする。進行するのは、バイきんぐ・小峠英二。芸人がふがいない結果しか出せなかったときは、プロレスラーの入場テーマ曲がBGMとして流れ、小峠が「オイッ!」とキレて、噛みつくのが定番だった。
しかし今は、進行が小峠からシオマリアッチに移り、ジェラードン、ゆにばーす、まんぷくフーフー、イヌコネクション、ネルソンズらが、新企画の芸人ディスり合いバトル“FUNKYジェネレーション”で罵詈雑言を浴びせまくっている。同企画は、プレゼンバトルを制したシオマリアッチの初主導。特筆すべきは、前述のコンビ&トリオ芸人がほぼ、ピンとこない点だ。保険をかける意味か、ワイプでは有田やケンドーコバヤシ、小峠といった有名どころを映しているが、メインステージでは顔と名前が一致しない芸人たちが、ただひたすら罵りあっている。カオス以外の何ものでもない。
この中で唯一、ゆにばーすが『M−1グランプリ2017』ファイナリストとなって、頭ひとつ抜けた存在だ。しかし、ほかは正直、横一列。そんな彼らがディスり合ったところで、やはりピンとこない。その割りきりゆえか、切羽詰まり、日ごろのうっぷんを晴らし、迷走真っただ中の闇と悩みを発露。得も言われぬ笑いが生まれた。
「おまえ、結婚してるのにAV女優と○○して、それって▽□だよな」と、番組内では伏字にされているものの、明らかに“交際”と“不倫”であることがわかるような雑な編集。さらに、「貸した1万円を返せ」、「女芸人と付き合ってる」、「35(歳)で奥さんが(妊娠)ギリギリだからデキちゃった婚をした」など、知ったところで何の役にも立たない情報を盛りこんでくる。挙げ句の果てには、有田の悪ノリによってコンビ内のバトルに発展すると、「顔がキモい」、「俺をイジれ」、「暗くてみんな引いてる」、「闇が深すぎ」、「陰で殴ったり蹴ったりしてくる」、「ツッコんだらキレる」など、暴露が幼稚で矮小。言葉より感情が出た結果、亀裂が生じ、「これ以上やったら、喧嘩になります」というオチで終わった。
しかし残念ながら、次週(13日深夜)からは、事務所イチオシ芸人の下剋上バトルという通常運転に戻るという。なんとも残念。くすぶり芸人の“神回”ならぬ“闇回”を再び観たいものである。