前走の安田記念は0秒6差の大楽勝だったわけですが、ウオッカが底力を身につけたのは、まさに春のドバイ遠征の経験があったからこそだと思います。
それは以前とレースぶりを比較すれば一目瞭然。今までは後方から運ぶことが多かったのですが、「世界に行って戦うにはそういう競馬をしていたんじゃ絶対に勝てない」とみた角居師は、ドバイデューティフリーで武豊騎手にスタートから押して行かせたのです。好位に取り付いたウオッカは流れについて行くのも大変そうでしたが、東京同様、気の遠くなるような長い直線を頑張りぬいて4着を確保しました。
遠征後のVマイルは、過去最低の478キロでの出走。万全とはいい難い状態でしたが、2着と意地は見せました。そして安田記念。抜群のスタートで道中は3番手追走。もまれると結果を出せなかったウオッカが、大人の女へと変貌を遂げたことを証明してみせたレース。前であの脚を使えれば、もう敵はいません。あの強さが今のウオッカなのです。
夏を順調に過ごせたのは何よりだし、乗り込みは7月から行って、調教量も豊富。鉄砲は利きますから、得意の東京なら、どの馬にも先は譲ることはないでしょう。負けられません。