古豪カンファーベストが昨年の雪辱を果たします。昨年は直線入り口でゴチャつく不利をものともせず、物すごい瞬発力で馬群を割って伸び、ハナ差まで詰め寄りました。メンバー最速の上がり3F34秒3もさることながら、このときにマークした1分32秒0の持ち時計は、メンバー中一番です。勝ったステキシンスケクンは3kg軽い54kgでしたから、カンファーの力は十二分に確認できました。
近走はずっとマイル戦を使ってきているように、この距離は“超ベスト”といっていいでしょう。すんなりと折り合い、うまく流れに乗れるので得意の切れ味を最も生かすことができます。
前走の関屋記念は8か月半の休養明け。中団をリズム良く追走し、直線で外に出して懸命に追い出しましたが、馬場の真ん中をジワジワとしか伸びませんでした。それでも4着を確保。いくら鉄砲巧者といっても今回は脚部不安での放牧で、かなり間隔があいていましたからね。復帰戦としては及第点が与えられると思います。
5歳時にも同じく脚部不安で11カ月休養したことがありましたが、その時も復帰戦のエイプリルSは6着に敗れています。しかし、2戦目の新潟大賞典では、トップハンデ57.5kgを背負いながらクビ差2着。1度叩かれたここは前走より期待が持てます。
昨年は関屋記念を勝って、ここへ参戦。今年も同じローテーションでいくのは当初の予定通りで、中間は厩舎でじっくり調整されました。最終追いは坂路を単走。リズミカルでしっかりとしたフットワークは明らかに前走時の状態を上回っています。秋競馬に突入したとはいえ、まだまだ暑い。暑さに強いカンファーは、この時季は本当に調子を上げてきます。2勝、2着2回の中山は得意コースですし、速い時計勝負も望むところ。まだまだ元気な8歳馬。トップクラスの実力と貫録を見せつけるチャンスです。