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全日本仏教界vsアマゾン「お坊さん便」サービスを巡る全面抗争(2)

 つまり『みんれび』が自社HPで「お坊さん便」を行っていた時は黙認していたが、今回の動きで、対アマゾンに対し抗議の姿勢を示したというわけだ。
 全日本仏教会の広報担当が話す。
 「お布施はサービスの対価ではなく宗教行為です。かつて『イオン』がHP上で戒名とお布施でこのクラスならいくらということに抗議し、削除していただいたのもそういうことです。今回は『アマゾン』という影響力の大きいネット販売されたことも大きな問題。これが、他のネット大手で次々と行われれば、日本の仏教会にとって大きなダメージになりかねません」

 『イオン』が2010年5月、僧侶紹介サービスを開始。HPで“言い値”とされていた読経と戒名のセット価格について、普通戒名を25万円、居士・大姉40万円などと目安額を提示した。
 「『イオン』HPでの目安提示には、やはり今回同様、全日本仏教会が削除させた前例があるのです。お布施は、お金持ちや地方の名士などになると定額ではなく、55万円が70万円や80万になったり、その場の状況で数百万、数千万円にもなるケースが一般的。定額表示されれば寺側に定額のみしか入らなくなる危惧に加え、宗教法人の非課税制度の特権が揺らぐことも恐れたのでは」(宗教関係者)

 昨今は寺院経営が立ち行かず、住職を放棄する人も増加。全日本仏教会傘下の宗派寺院住職でも「お坊さん便」に登録する僧侶も多いというが、この登録に仏教会からの罰則は一切ない。
 全日本仏教会の広報担当者は、
 「今回の現象を踏まえ、どこにどう頼んでいいか分からない、『お坊さん便』程度の値段での読経も含め、手が届かなかった層へのより多くの救済、普及も考える必要があることは痛感しています」
 と、改革に取り組む姿勢も強調するが、寺院の存立にも影響するだけに一歩も引かない姿勢だ(1月26日に総会を開き『アマゾン』、『みんれび』に対し正式に文書などでの抗議をするかどうかを決定予定)。

 これに対し『アマゾンジャパン』広報担当者は、
 「この商品は、『みんれび』様の商品。現時点で仏教会にアマゾンに対する抗議も文書もいただいていないので、何とも申し上げられません」
 また『みんれび』は、「お坊さんに供養してもらいたいが分からず困っている、資金的に大変だが供養したい方々と、寺院を何とかつなげたい、それが寺院やお坊さんのためにもなります」
 と、コメント。

 この騒動、どう決着がつくのか。

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