プリンスはチケットが完売していたダブリン、クローク・パークでのコンサートを2008年6月16日に開催するはずだったが、その13日前に何の説明もなく中止したことで、プロモーターのMCDは5万5000枚のチケット代返金を強いられた。
MCDの社長デニス・デスモンドは、プリンスに対して法的手段に訴え、2010年2月にダブリンのコマーシャル裁判所での4回の審理の結果、プリンスの弁護団は200万ドル(約1億6000万円)の損害と、100万ドル(約8000万円)近い裁判費用も負担することで和解した。
しかしながら、その同意額が支払い締め切りの2010年3月までに支払われていなかったために、デニスとMCDには、ヨーロッパ連合の法律のもと、プリンスの財産を追跡することを許可するヨーロッパ法律執行証明書が発行された。
アイルランドのタイムズ紙が入手した書類によると、MCDは、プリンス所有のフランスとポルトガルにある銀行口座に約95万7000ドル(約7800万円)が入っているという証明書を受け取ったが、結局プリンス側からはナニも支払われていないという。
デニスは今回、プリンスがアメリカで保有している資産から、元々の和解金額の8%に当たる24万ドル(約2000万円)の利子をプラスした金額を支払うようにロサンゼルス上級裁判所に対し、書類を提出した。
裁判所が会社側の訴えを聞き入れれば、MCDはプリンスの家族が住むミネアポリスの家と、個人資産を手に入れる可能性がある。