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キャンプイン直前情報『千葉ロッテ』編 『和の野球』は「1点」にこだわるスタイルに進化する?

 ペナントレース3位から、日本シリーズ制覇。「史上最大の下克上」とも称された終盤戦の強さは圧巻だった。

 改めて、2010年ペナントレースの道程を振り返ってみると、西村徳文監督(51)の掲げる『和の野球』とは、クライマックスシリーズ(以下CS)に標準を合わせた“下準備”の連続とも表現できる。
 CS、日本シリーズで存在感を見せた清田育宏(24)、岡田幸文(26)の両外野手が登場したとき、チームの調子は決して良くなかった。清田の一軍デビューは5月24日。序盤戦の牽引役ともなった荻野貴司(25)の代走として起用され、64試合に出場。打率は2割9分で終わったが、「得点圏打率3割7分2厘」の勝負強さを発揮した。
 彼らが試合に起用され始めた6月、7月だが、チームは負け越している。6月は7勝11敗、7月は11勝12敗。8月上旬までに掛けては7連敗も喫している。この間、清田たちに実戦経験を積ませたことが後に『自信』となり、終盤戦に繋がったとも解釈できる。
 おそらく、ドラフト1位の伊志嶺翔大(22)も、清田たちのように『経験』を積む機会を与えられるだろう。

 故障離脱した唐川侑己(21)が先発ローテーションに帰って来る。ドラフト2位の南昌輝(立正大)、3位の小林敦(七十七銀行)もアマチュア球界では高く評価されていただけに、プラス材料も多い。
 だが、今季の課題は西岡剛(26)の退団による『攻守の穴』をどう埋めるかである。
 西村監督は故障明けの荻野貴司が「新・遊撃手」に予定している。大学時代、外野手にコンバートされたのは『送球難』だという話は誰も否定しないが…。西岡はトップバッターとして、昨季はプロ野球史上歴代4位となる206安打を放ち、首位打者のタイトルも獲得した。その西岡は初回先頭バッターとして、出塁率4割1分7厘とリーグトップの数値を残し、『チームの初回総得点』を「98」まで底上げした。前年比12点増である。チーム打率2割7分5厘(1位)、総得点「708」(1位)と高い数値を残せたのも、西岡のおかげと言っていい。
 荻野貴司が遊撃手として「厳しい」と判断された場合、塀内久雄(29)、根元俊一(27)との併用になるだろう。ゼロから育てるつもりなら、ファームで64試合を経験した2年目の翔太(19=大嶺弟)も面白い。俊足、強肩、身体能力の高さは他のイースタンリーグ首脳陣も認めていた。

 ちなみに、昨季のチーム総三振数「1065」は12球団ワーストだった。犠打犠飛「156」はリーグ4位。攻撃面での作戦は「粗削りさ」も否めない。
 新トップバッター候補でもある荻野貴司の出塁率(3割8分3厘)は、西岡ほど高くはない。しかし、彼の盗塁センスと走塁能力はピカイチ。荻野や他イニングの先頭バッターの出塁を確実に「得点」に繋げるため、リーグ4位だった犠打犠飛「156」の数値を高める必要性もある。また、バント、エンドラン、右方向へのバッティングなど『細かい作戦』も取り入れると思われる。中継ぎで31HPを挙げた伊藤義弘(28)、30HPの薮田安彦(37)は今年も健在だ。クローザー・小林宏之(32)の退団は痛いが、小野晋吾(35)、古谷拓哉(29)もおり、最小得点差で逃げ切る継投リレーは現有戦力でも編成できる。チーム総得点の数字はダウンするが、『和の野球』は「1点」にこだわる新スタイルに進化していくではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)

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