7月24日午前、地下鉄・舞鶴線に出勤のため乗ろうとした上司が、運転士が不自然に下を向いていたり、列車の進入速度が遅いのを不審に思い、別の職員を伴って、客席から運転席をうかがったところ、荒畑駅付近を走行中、スマホの使用を確認して発覚した。
同市営地下鉄・舞鶴線では、昨年4月から全区間で携帯電話の使用が可能になった。市交通局によると、運転士は同時期から運転中にスマホの使用を始めた。最初の頃は週1回程度の使用だったが、だんだんエスカレートし、今年4月から7月までは、週3、4回使っていた。その使用頻度は約400回に上る。利用していたのは主に「LINE(ライン)」や、オンラインゲームだった。
市交通局の聞き取りに対し、運転士は常習的な使用を認め、「家庭内でトラブルがあり、『LINE』で家族からの返事を見ていた。ゲームはついやってしまった」と話しているという。
同市営地下鉄の乗務員は内規で、出退勤が同じ駅なら、携帯電話は駅に置いて車両に持ち込み不可、違う駅なら電源を切るよう定められている。
市交通局は「重大な違反行為で、安全意識が欠如していた」として、処分明けに復職しても、この運転士を運転業務にあたらせない方針。報告を受けた国土交通省中部運輸局は市交通局に対し、口頭注意をした。
言うまでもなく、電車の運転士は多くの乗客の命を預かっている。それなのに、運転中に「LINE」やゲームをするなど言語道断の行為で、安全運行への意識が希薄すぎる。運転業務に戻さないのは当然の措置だろう。
(蔵元英二)