「4コーナーまではいい感じで先行できて、すんなり先頭に立てたけど、あそこからいつもの粘りがなかったね。ただ、やっぱり1800mでは距離が少し足りない感じで、しかも苦手にしている瞬発力勝負になってしまった。それで勝ち馬から0秒3差だったら十分許容範囲内の負けといえるんじゃないかな」と鳴海助手は振り返った。
加えて、強行軍も響いた。栗東から函館競馬場へ丸一日かけて輸送され、わずか1週間でレース。状態は決して万全とはいえなかった。「直前の追い切りも何か物足りなさがあった」という。長距離輸送の影響で調整にズレが生じたことは否めない。
その点、この中間は函館に滞在してじっくり乗られた。一昨年のデビュー、そして昨夏も函館にいただけに、環境への適応は早く、引き締まった馬体で元気に調教を積み重ねている。
しかも、今回は1800mからベストの2000mへと1F延長される。4走前のメルボルンTを快勝して、3走前の新潟大賞典と前々走の金鯱賞はともに2着。特に金鯱賞は後に宝塚記念を制したエイシンデピュティに食い下がった。
「あとは前で引っ張ってくれるような馬がいてほしい。前走のような瞬発力勝負ではなく、スタミナ勝負になればなおいいんじゃないかな」
晩成のマンハッタンカフェ産駒らしく、古馬になってじわじわ力をつけてきた。サマー2000のチャンピオンへ、さらにその先の天皇賞・秋へ向けても、ぜひともここで重賞初Vがほしい。
「夏のローカルのこのあたりなら何とかしないとね。そのためにわざわざ栗東から連れてきたんだから」と鳴海助手。
最後は野球全日本、星野監督ばりの「勝ちたいんや!」で締めくくった。