IWGPヘビー級王者となった全日本プロレス、武藤敬司に新日戦士が次々と葬られ、新日マットは外敵王者に菅林直樹社長が白旗をあげる窮地に。そんな現状を打破するためにも悩めるエースは「社長の視野に俺がいなかったのはダゼェこと。武藤選手もアメリカで名をあげて帰ってきた選手なので、オレはアメリカで武藤敬司選手以上のレスラーになって華々しく凱旋します」と海外遠征での復活を誓う。
現時点でTNAでの試合や遠征の期間など一切決まっていないだけに棚橋は「新日本にも僕にも時間がない」と復活を急ぐ。
だが、この思いを高ぶらせるのは、至宝奪還への思いだけではなかった。「俺がアメリカに行く荷造りをしてたら、うちの3歳の息子がカバンの中に入ってて『ボクもアメリカに行く』って言ってた。俺を頼ってくれる人のためにも早く復活して帰ってこなきゃ」
来年1・4東京ドーム大会での次期IWGP防衛戦のチャレンジャー不在で嘆く新日マットだけに、悩めるエースの復活には期待がかかるところ。棚橋は「いつ帰ってくるかはわからないけど、新日本は俺にふさわしい舞台を用意して待っていろ」と力強い捨てゼリフを残して機上の人になった。