2003年に開業し、年を追うごとに勝ち鞍を伸ばしている久保田厩舎。昨年は29勝を挙げるとともに、重賞3勝と大きく飛躍した。勢いそのままに、今年もすでに4勝をマーク。関東リーディング2位、全国6位と好発進を切っている。そして今週、満を持して登場するのが厩舎のエース・ワイルドワンダーだ。
前走・JCダートは直線伸び切れず5着に終わったが、決して適距離とはいえない一戦だっただけに、陣営に悲観の色はない。「結果的にペースが速くて前に壁ができず、タメが利かなかったからね」と尾形助手も意に介していない様子だった。
その後は短期放牧へ出されてリフレッシュ。「昨年末に放牧先から戻して、ここを目標にしてきた」と久保田師は仕切り直しの一戦に意欲を見せる。
中間の調整もここにきて急ピッチ。先週23日には坂路で僚馬2頭を5馬身ほど追いかけ、800m51秒4→37秒2→12秒3をマーク。豪快なストライドで駆け上がり、併走馬に1馬身差まで詰め寄った。この動きには師も納得の表情だ。「しっかりと動いていたね。デキは高いレベルで安定していますよ」
今回は挽回を期すための舞台装置も整った。1400mはGIII・プロキオンS勝ちをはじめ、(1)(1)(3)(1)(1)着と無類の強さを誇っている。
「前走より今回の方が条件的にはいいんじゃないかな。ここをいい形で終えて、GI(フェブラリーS 東京ダ1600m 2月24日)につなげたい。重賞は昨年3つ獲れたからね。あとはこの馬でGIタイトルを!」
トレーナーの視線の先には、すでに大きな勲章が見えている。