断然人気を集めた前走のNHKマイルCは、よもやの9着と背信的な惨敗を喫したが、あれが実力ではない。「(差し、追い込みで決まった)皐月賞と逆の展開になっちゃいましたね。読みが外れたけど、これが競馬だから仕方ないです」と戸田調教師は苦笑い。ダービーに向けて、すでに気持ちはリセットしていた。
中1週の強行軍も想定内。「幸い(前走を使った後の)ダメージはなかったし、もともと心肺機能の高い馬で、いい状態をキープしてますよ」と余裕しゃくしゃくだ。
1週前追い切り(21日)は南ポリトラックで、5F73秒0→56秒6→41秒3→12秒2(馬なり)。軽めの内容ながら、外ドラゴンメイルに1/2馬身先着と軽快な動きを見せた。
「ガサ(442キロ)がないし、二四の長丁場を考えてオーバーワークにならないように格下の馬と併せ、遅いペースで我慢させることに主眼を置いてやりました」と説明する戸田師。
「直前(最終追い切り)は、藤田ジョッキーに乗ってもらう予定で、必然的に時計は速くなるでしょう。だから、今日はその点も考慮してやりました」と補足した。
課題は、一気の距離延長となる2400メートル。しかし、トレーナーはまったく意に介していない。「キャリアを重ねるごとに、競馬が上達して折り合いに進境がみられるし、コントロールしやすくなっている。血統的な背景からも心配ないですよ」と断言する。
乗りかわりも、ここ一番に強い藤田騎手なら不足はなく、起死回生の一発があって不思議はない。