過去10年間で1〜3番人気は合わせてたったの6連対。なおかつ、ハンデ頭もわずか3連対という体たらくぶり。爆穴探しを生きがいとする本紙特捜班にとっては、年に1、2度あるかないかの腕をまくるおいしいレースが福島記念だ。
◎に指名したのは超人気薄のホッコーソレソレーだ。前走の富士Sは勝ち馬から1秒4離されるブービーの17着に惨敗。が、屈腱炎で1年以上も実戦から遠ざかり、プラス14キロの重め残りでは走れという方が無理。浜田調教師も「息さえまともにできていなかったし、明らかに太かった」と、ここに向けての“叩き台”といわんばかりだ。
実際に、使われた効果は抜群。同じく休み明け2戦目、馬体が絞れ、上がり3F33秒4の鬼脚でサクラメガワンダーに0秒3差(4着)まで迫った1年前のカシオペアS当時のデキをここにきて取り戻しつつある。浜田師からも自然と笑みがこぼれる。「全体的に馬体に張りが出てきて、お腹もへっこんできた。使った上積みはかなりと見て良さそうだよ」
指揮官を“その気”にさせる理由がもうひとつある。昨年の福島記念で同じく人気薄だったアルコセニョーラを1着にもってきた中舘騎手本人からの直々の売り込みだ。
「鞍上を探していたところに向こうの方からオファーがきたんだ。あれだけ腕のあるジョッキーが志願してきたんだから、勝算アリと見込んでのことに違いない。ゲートの出来、不出来がはっきりしている馬だけど、彼ならまずスタートは失敗しないからね。5、6番手につけてすんなり外に出せれば一発があってもおかしくない」
“福島の鬼”中舘を鞍上に、小回りでも外差しが十分に利く最終週。一昨年のカシオペアS(2着)でスーパーホーネットの上がり(3F)をも上回った破壊力ある末脚が大万馬券を生む。