5年以内の短い間に非常に狭い範囲で立て続けに大きな事件が起こる…。犯罪統計学ではじき出された数値を遥かに上回る確率で事件が頻発する時、実はその地域に張られた結界が何かの理由で崩壊している可能性があるという。風水などを研究している専門家に言わせると近年では池袋周辺、さらに六本木ヒルズ周辺で頻発した大きな事件、さらに最近では、さいたま新都心や川口市などで多発する凶悪犯罪などは都市結界崩壊が原因で起きた可能性が高いと言うのだ。これらの土地には「再開発地帯」という共通キーワードが存在する。再開発の際に知らないうちに結界を破壊していると言うワケだ。ある開発業者は語る。
「バブルのころまでは基本的にどこの業者も開発の際に風水やその土地に詳しい専門家を雇い、結界や方位についての調査を行い、また地鎮祭にも結構なお金をかけていたんです。しかし、バブル崩壊以降、建設予算がどんどん下がったため、そのような部分から真っ先に予算が削られたのです。私自身、霊とか祟りとかは信じませんが、形だけの地鎮祭しか行わなかった案件は確かに“何か”が起きているような気がします」
また、ある神社の神主だった人物は、「私の神社のそばで行われたビル建設で、建設地にあったお稲荷さんがいきなり撤去されました。私は狼狽し、建設業者に怒鳴り込んだのですが『有名な風水の先生に頼んだから大丈夫』と全く取り合ってもらえませんでした。そこでそのビル建設地の外れにある篤志家の方のお庭にお稲荷さんを祭らせていただき何とか体裁を整えたのですが…。その後、そのビルを建設したゼネコンは倒産しました。私は災厄が地域でなくその会社に降りかかり本当にホッとしましたよ」と、再開発の際の不手際により結界が壊れ、土地の地縛霊を起こしてしまったり、またエセ風水師の適当なアドバイスが原因で結界の崩壊部を修復できぬまま竣工してしまう案件がバブル以降、急増しているようだ。
これらの結界崩壊が都市の治安の悪化を引き起こしているのではないか。しかし、これらの都市結界を再生するのは並大抵の作業ではないという。一度壊した結界を再生するだけでも相当なパワーを必要とし、これが地域レベルになるともはや手を着けられるのは日本でも数人しかいないという。しかし、これら開発業者の間で救世主として語り継がれている僧侶が存在するという。
「うわさだと結界に詳しく恐るべき霊験に恵まれた方だと。鉄道関係の案件を何度もこなし、東海道線を新宿まで延ばせとアドバイスしたのもその高僧だという話です、さらに今や全国の開発モデルケースとなっている秋葉原再開発もその高僧が綿密な調査を行ったと言う話です」
全く実像がつかめない僧侶だけに、断片的な情報を切り張りするしかないのだが、その僧侶は密教系の高僧らしい。確かに空海の流れを汲む密教系の僧侶ならば秘法を操る訓練をしていてもおかしくはない。しかし、その僧侶についての調査は難航。なんでも、政界の大臣クラスの呼び出しにも応じず宗派の中でも「変わり者」と評価される人物らしい。ただ、結界を再生する脅威の能力を持った僧侶が本当に存在するのは確かなようだ。
常識的に考えれば結界の崩壊により凶悪犯罪が増えると言うのはありえない話かも知れない。しかしである。犯罪と無縁の普通の生活をしているあなたの身の回りである日突然、凶悪犯罪が起きることの方が常識的に起ありえない話なのだ。それならばその土地を今まで静かに治めていた方法を頭ごなしに否定する事はできないだろう。実際に都市結界の崩壊は始まっているのである!!
(写真(上)=白が結界から山に逃す流(りゅう)、ピンクが生きている結界、紫が崩壊結界、青い点が崩壊結界から逃げ出す流)
(写真(下)=破られた結界を再生させることができる密教系の僧侶が存在するというのだが、その正体は謎だ)