昨秋の5回中山開催で、同じ1600万の美浦Sを快勝しているように、確固たる実力の裏付けもある。担当の小林鉄平調教厩務員は、「あの時は、うまくハマッた感じだったけどね」と笑顔で謙遜したが、もともと新馬勝ちしている厩舎の期待馬。3歳時に菊花賞(10着)に駒を進めた実績からも、いずれは重賞を狙える存在になる可能性を秘めている。
ところで、この馬のセールスポイントは?
「長くいい脚を使えるところですね」と小林さん。「ビュッと切れる脚はないから、内回りの方が競馬はしやすい」と言う。早めにスパートして後続の差し脚を封じる作戦だ。
中間から調教パターンをかえたのも、勝利に対する貪欲(どんよく)さの表れだろう。「コースから坂路主体にメニューをかえてから反応が良くなり、集中力を増しました」と成果を口にする。新しい試みがレースで実を結ぶシーンは十分考えられる。
最後に意気込みを聞くと、「理想は先週の雨馬場。他馬が苦にする分、有利になるからね。ハンデ57キロは許容範囲。勝っている条件だし、妥当でしょう。チャンスはあるので応援してください」と好勝負を約束した。