普通のキャバクラとは違って、店内がより暗いですね。店によって、どこまで触っていいのか、が違ってきます。ある「ソフト系」の「キャバクラ」の場合は、キスなし、下半身と生乳はNGといったところです。
店に入ろうとすると、ボーイさんに、
「どんな子がお好みですか?」
と聞かれたので、
「小さくて、巨乳」
と言ってみました。
いわゆるロリ巨乳をお願いしたわけです。こう伝えて、本当にロリ巨乳が来たことはありません。しかし、このお店では、本物の「ロリ巨乳」がやってきました。
話をすると、この嬢は、この店で働いて間もないが、「キャバクラ」で働いた経験は長い。しかも、かつて関東で働いたことはあるが、やはり北海道のほうが住みやすいということで、地元へ戻って来た、といいます。
すると、電気がさらに暗くなりました。
「あれ? 暗くなったね」
「そうなんです。ダウンタイムといって、このときにお客さんが触っていいんです」
なるほど。いわゆるショータイム制ということですね。おわわりパブには、常時おさわり可能の店と、ショータイムの時間だけおさわりができる店があります。この店は後者でした。
ダウンタイムが終わると、嬢が変わりました。話はさきほどの嬢と「ロリ巨乳」という意味では変わりませんが、なぜか、この嬢を指名してし、さらに延長までしてしまいました。前の嬢と、この嬢の差は何だったのでしょうか。あとで考えてみると、顔は前の嬢のほうがかわいいかもしれません。
しかし、甘え上手なところがよかったのでしょう。甘えられると、弱い私ですので、顔よりも、そうした態度によって、テンションが変わってしまうのでしょう。これは、私だけでなく、他の客もそうした面があるはずです。
そうこうしていうちに、閉店時間となりました。指名した嬢とは連絡先を交換しました。私が東京からどのくらいの頻度で来るのかを考えれば、嬢にとって私は「得」な客ではありません。しかし、数か月後に北海道に再び来る予定がありましたので、そのときにまた顔を出そうかと思いました。
<プロフィール>
渋井哲也(しぶい てつや)フリーライター。ノンフィクション作家。栃木県生まれ。若者の生きづらさ(自殺、自傷、依存など)をテーマに取材するほか、ケータイ・ネット利用、教育、サブカルチャー、性、風俗、キャバクラなどに関心を持つ。近刊に「実録・闇サイト事件簿」(幻冬舎新書)や「解決!学校クレーム “理不尽”保護者の実態と対応実践」(河出書房新社)。他に、「明日、自殺しませんか 男女7人ネット心中」(幻冬舎文庫)、「ウェブ恋愛」(ちくま新書)、「学校裏サイト」(晋遊舎新書)など。
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