原巨人が盤石の奪還シフトを敷く。
日本シリーズ(11月1日開幕、東京ドーム)で西武と対戦する巨人。この日は本拠地・東京ドームで全体練習に臨んだ。ウオーミングアップで体を温め、けん制や投内連係などを確認。その後は、野手、投手に分かれて約2時間汗を流した。
右肩の負傷でクライマックスシリーズ(CS)を欠場した阿部が初のフリー打撃を解禁。「(自分の)できる範囲でね。試合で使ってもらったらもっと力むと思うし、徐々に仕上げていければ」と復活への手応えを口にする。
中日とのCS第2ステージで死球を受け、左手を打撲している小笠原も打撃練習を再開して快音を連発した。「(痛みは)ない。普通ですね。(守備も)普通です」と順調に回復。同じく中日戦、けいれんで負傷交代した鈴木尚広も「ほとんど痛みはない。万全の状態です」とキッパリ。セ・パ頂上決戦に向け、戦力が整いつつある。
万全な状態にあるのは選手だけではない。本拠地も変ぼうを遂げようとしている。グランド整備を担当するグラウンドキーパーのひとりが本紙だけに明かす。
「(試合前日に)化粧直しの赤土を入れる予定です。あとは芝立てをやるかもしれないね」
「芝立て」とは、踏まれて寝てしまった人工芝を、再び立たせる作業。これにより足への負担を軽減し、ケガの確率などを減らす効果があるという。
つまり、グラウンドを“変身”させようと画策しているのだ。
「昨年は(芝生について)いろいろ注文されたけど、今年は今のところ言われていない。大一番でケガはしてほしくないですからね」
選手、コーチだけではなく裏方までが一丸となっている巨人。芝も味方につければ、日本一奪還に死角はない。