今から役30年くらい前、武田鉄矢が「金八先生」になりたてだった頃。「海援隊」というフォークグループを組んでいた武田は、しきりに坂本龍馬好きをアピールしていた。当時小学生だったチャッピーは、その後教科書の坂本龍馬の写真がすこしだけテッチャンに似ていたため、ずっと坂本龍馬のイメージは武田鉄矢だったの。テッチャンが龍馬を演じた「幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬」(1986年、東宝)も当然見に行ったのよ。
しかし、今現在の小学生が初めて目の当たりにする実写版・坂本龍馬は福山雅治。これってひどくない? テッチャンとフクヤマじゃあ「龍馬」を思い出す時のウキウキ感がぜんぜん違うじゃない。チャッピーの30年をどうしてくれるの? 今までじっくり考えた事なかったけど、豪快でザクザクした男の坂本龍馬ってぜんぜん武田鉄矢タイプじゃない。今となってはフクヤマの方があってるぐらい。なんかチャッピー、テッチャンに騙されていたような気がするわ。
それはもういいとして、気になるのが哀れ武市半平太(大森南朋)の言うままに「人斬り以蔵」という殺人鬼になってしまう岡田以蔵(佐藤健)。どこかの団体にもこういう人いたわね。なぜかこの役ってかつて反町隆史だとか長瀬智也だとか美男が演じる事が多い。今回の佐藤クンも純粋でイメージ的にはピッタリ。悪夢見て、ちょい年上の飯屋のねーちゃん・なつ(臼田あさ美)に抱きつくところなんかチャッピーのツボよ。ああタケルちゃんを抱きしめたい。
男性サービスには、AKB48のあっちゃんって子が龍馬の姪(杉本哲太とワッコの娘ね)の役で出てたり、このあと長崎の芸者の役で蒼井優が出てくるの。歴史上の人物をアイドルが演じる事で歴史に興味を持つ若者が増えるのはいい事なのだけど、あんまり出しすぎるとやっぱりトレンンディドラマ化しちゃってリアリティに欠けちゃうのよね。(チャッピー)