スリープレスナイトの直前回避でが然、注目度が高まっている外国馬シーニックブラスト。その実績から見て分かる通り、「黒船来襲」の4文字がピタリと当てはまる久々の超大物だ。
今年は豪州、英国のGIをすでに3勝。全8戦でポイントを争うグローバルスプリントチャレンジでは断然の首位をひた走り、ワールドサラブレッドランキングのスプリント部門でもトップタイに君臨している。「現役世界最強スプリンター」であることを疑う余地はない。スプリンターズSに騎乗するあるジョッキーが「スリープレスナイトがいなくなったといっても、あの外国馬がいるからな。相当強そう」と警戒するのもうなずける。
これまでスプリンターズSに来日した外国馬と違うのは、単なるスピード任せの馬ではなく、豪快な追い込み馬ということだ。エンジンがかかってからの爆発力はかなりのもので、展開に左右されない破壊力抜群の末脚は、ここでは一枚も二枚も違う印象だ。
昨日(30日)には初めて中山競馬場の芝コースを確かめた。速歩で1周半、キャンターからギャロップで半周の軽いメニューだったが、あか抜けた馬体で雄大に回る姿は大物感たっぷり。落ち着きもあり、早くも日本の環境に溶け込んでいる。自ら騎乗したモートン調教師は「中山の芝は走りやすいね。右回りの走りもスムーズだったし、これならレースでも対応できる」と好感触だった。
シリーズルールでここを勝てば100万ドルのボーナスが手に入る。“ニンジン”がぶら下がった時の外国馬の強さはもはやいうまでもない。世界の走りから目が離せない。
【最終追いVTR】師自ら騎乗して芝コースへ。前日同様、3F46秒3→13秒4を馬なりでマークした。数多いシャッター音にも動じず、筋肉質の馬体が目立つ。