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【オリックス】吉田正「シビれる試合だった」小林の負傷退場にチームが奮起!ファン大熱狂!

▽9月30日 オリックス 9-7 ソフトバンク(京セラD大阪)
オリックス7勝16敗 観衆 25,427人

 オリックスの先発は現在8勝と二桁勝利の可能性が残されているルーキーの山岡。しかし山岡は初回から3回まで長打や四球絡みで毎回失点を許してしまう。4回は三者凡退で抑えるも、5回に再び捕まり、1死満塁の場面で降板。4回1/3、7安打、6失点の内容だった。

 5回途中より代わった2番手の小林は6回、ソフトバンク先頭打者の高谷の打球が顔面を直撃。小林はマウンド付近に倒れ込み、痛さのあまり足をバタつかせ蹲ったまま動けなくなってしまう。出血も見られる中、救急車をグラウンド内に入れるという場内アナウンスがあり、試合が中断。ベンチ内の全選手が小林を囲む中、オリックス、ソフトバンク両チームのファンからエールの意味を込めた小林コールが発生。小林は約10分後に到着した救急車で病院に搬送された。

 球場内は重い空気に包まれたが15分間の中断を経て試合再開。オリックス打線は苦手としているソフトバンクの先発バンデンハークから5回を除いて毎回ランナーを出し、5回までに2得点。6回にはマレーロがレフト5階席に第20号ソロを放つ。ソフトバンクは7回から継投で逃げ切りを図るも、7回は2番手の五十嵐が3者連続四球。代わった嘉弥真も押し出しの四球で、オリックスはノーヒットで1点を追加する。8回には5番手の森を攻めて、中島、宗のヒットから、代打杉本のタイムリー、吉田正尚の同点となる2点タイムリー、マレーロの勝ち越し2点タイムリーで最大5点差あった試合をひっくり返すミラクル劇を演じた。このシビれる展開に京セラドームに集まったオリックスファンは大熱狂。重苦しい空気が一変した。最終回は声援に後押しされた“守護神”平野が3人でピシャリと抑えて、オリックスが首位ソフトバンクに逆転勝ちを収めた。勝利投手は金田で4勝(1敗)、セーブは平野について29セーブ目を記録。

 救急車で大阪市内の病院に搬送された小林は、頭部CT検査の結果、右眼瞼部上の打撲による裂傷という診断を受け、患部を8ハリ縫ってから、再び京セラドームに戻り、視力検査などを行ってから帰寮した。

■福良淳一監督 一問一答

ーー小林ですが…

「ちょっと心配ですけどね。意識はあったんですけど、けっこう切れてましたね。出血も多かったですからね。あとはまだ聞いてないですから。これから。心配ですね」

ーー(倒れていた)本人を囲んでいたときに返事とかは?

「してましたよ」

ーーそこから5点のビハインドをよく追いついたと…

「そうですね。みんな諦めないで最後までやってくれたんやないですか」

ーーこういう試合で若い選手が…

「そうですね。8回なんかは若い力ですね。宗、杉本、(吉田)正尚ですか。良かったんじゃないですか」

■クリス・マレーロ選手 一問一答
※8回、センターのフェンス直撃の勝ち越し2点タイムリーツーベースヒット、6回にはレフト5階席に特大第20号ソロホームランの大活躍

ーー凄い試合になったが…

「まず、きょうの試合でいちばん大事だと思うのは小林投手が無事で、大した怪我じゃないということを祈りたいというのがいちばんで、その次がこういう形で勝つことが出来たという試合でした」

ーーホームランを打ったときに笑顔がなかったのは小林への思いから?

「小林投手のこともありますけど、負けていたので、負けているときにホームランが出ても自分は喜ばないと思うので、そちらの方ですね」

ーーホームラン打った場面はアクシデントの直後で集中するのが難しかったのでは?

「どんなことがあっても、毎打席、毎打席、自分の中ではしっかり集中して、いろんなことを自分の中でシャットアウトして打席の中で集中するというのが大事だと思うし、それが出来たんだと思います」

ーー小林のためにも勝ちたいという気持ちはあった?

「はい」

■吉田正尚選手 一問一答
※8回の同点となる2点タイムリーを含めて、2安打5打点の活躍

ーー終盤よくあそこで…

「盛り上がりましたね。シビれる試合でしたね。きょうは」

ーーきょうはアクシデントや点差が開いていたが?

「ああいうアクシデントがありましたけど、みんな強い気持ちを持っていった結果、たまたまかもしれないですけどこういう結果になって、良かったなーと思いますね」

ーー小林のためにという声が選手から上がったわけではない?

「それはないですけど、このままじゃ終われないという何か雰囲気は皆さん感じたと思いますけど」

ーー5打点については?

「そうですね。最初の打席でしっかり、結果はヒットじゃなかったんですけど、ああいう1打点が始まりなわけで、そこからタイムリーが出て、フォアボールになり、全部がタイムリーじゃなくても打点というのは入るので、それが1点、1点の積み重ねがあって、最終的に5打点。ホームランなしで5打点というのは僕の中でも価値があるのかなと思います」

ーーよくボールが見えている証拠?

「いや、そんなことはないと思います。最後も(スリーボールから)ボール球に手を出してしまって、そこでまたフォアボールを選べたりすれば、もっともっと出塁率も上がるし、イヤなバッターになるのかなと思います」

ーー追いついた場面は粘っている印象があったが?

「そうですね。簡単に追い込まれてヤバイなと思ったんですけど、何とかボール球に手を出さずに最後しっかりコースを…何とか抜けてくれて」

ーー追い込まれたときの気持ちの持ち方は?

「うーん。なるべく平常心でいようと思うんですけど。頭の中しっかり整理をして。(カウントが)2-0だったらボール球に手を出さないし、平行カウントだったらまた少しゾーンが上がってくるんじゃないかなって考えもあるんで。そこは一球一球変わってくるので、頭の中を整理して、バッテリーが会話したり、そこはバッテリー連中が苦しんでいる場面でしょうし、そういうのをしっかり、自分の中で余裕を作れるようにしています」

ーー1打席目にセンターに抜けるような打球をショートに捕られたことで、次の打席は反対方向を意識した?

「いや。そんなことはないですけど。バンデンハークは真っ直ぐが強いピッチャーなので、そこは弾き返せるような準備をしていたので。真っ直ぐ待ちの変化球対応で。あそこは内野も下がってましたし、外野フライか最低内野ゴロ。いちばんいいのはヒットですけど。という考えだったので。また欲を出し過ぎるとあの場面は詰まったフライとか、内野フライがいちばん最悪だと思うので、それだけを避けるように意識してました」

■選手談話

山岡泰輔投手
※先発4回1/3、7安打、6失点の内容
「フォアボール、デッドボールが絡んでの失点を反省しなければいけません。回の先頭バッターを出さないこともそうですが、ランナーが出てから、もっと粘りたかったです」

取材・文・写真/どら増田(オリックス番ライター)

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