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“裏函”便り 21歳の新人が北海道で得たものとは

 今週から札幌が開幕。2開催を終えた函館競馬場は札幌競馬の期間中、トレセンがわりとして利用されている。この閉幕後の函館を関係者の間では俗称、「裏函」と呼ぶ。
 この「裏函」…4、5年前までは開催している札幌以上に活気に満ちていたが、近年は札幌に腰を据える陣営が多くなり、今年も7日から8日にかけ、一気に120頭もの競走馬、数多くの騎手が去っていった。
 1、2回函館にフル参戦した丸田恭介騎手もその一人で、8日の追い切り後、札幌に旅立った。
 「『函館の競馬は厳しい』と聞いていたが、やっぱり厳しかったですね」とこの2カ月間を振り返る丸田騎手。確かに28回騎乗して1勝では満足のいく数字とはいえない。
 ただ、今年、騎手免許を取得したばかりの21歳の新人にとって、学ぶべきものは地元の海産物のように多かった。例えば北海道特有の洋芝。「合う馬、合わない馬が容易に分かる。実際、乗ってみて感じるところはありますね」
 美浦、栗東の人間が一堂に集まることも大きいという。「美浦とは雰囲気が全然違う。最後、関西馬2頭に乗せてもらったのも大きかった。攻め馬にしても美浦よりたくさん乗れますからね」勝ち鞍に恵まれなくとも、函館滞在は普段に比べ、濃密な時間をすごせたようだ。
 函館で培ったノウハウを北海道シリーズの後半戦で生かせるか。彼の奮闘ぶりを見守りたい。

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