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中居正広の“友だち”、松嶋尚美の“保護者”? 度量が広すぎる、鶴瓶の恐ろしさ

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笑福亭鶴瓶

 「エエやん。今、一丁前になってるやん」。関西人が、苦労を重ねた相手を称賛したような、このセリフ。やや乱暴な関西弁とはいえ、言われたほうは、悪い気がしない。ところがこれが、後輩が大の先輩に向かって発言したものとなれば、話は別だ。

 このやり取り。発言したのは、タレントの松嶋尚美。現在46歳。言われたのは、芸歴およそ46年の笑福亭鶴瓶、66歳だ。自身の年齢分のすべてを芸事に費やした大先輩に対して、躊躇なく「一丁前」と吐ける松嶋。言葉のチョイスは、天然ボケというレベルを超えて、恐ろしい。それがまかり通るのが、『きらきらアフロTM』(テレビ東京系)。鶴瓶と松嶋がたった2人で立ち話を展開する、浪花情緒あふれる番組だ。

 ちなみに、この「一丁前」は「一人前」の言い間違いであったことが、その後すぐに判明する。であっても、大先輩に放つ言葉としては、不適切だ。しかし、松嶋にはそもそも、失言という概念がない。うらやましくもあり、危険なキャラクターだ。天然で、無知で、元気な関西人にして、ファッションセンスが抜群、スレンダー、美人な2児のママ。IQが低いことを公言する潔さも、女性からの支持がいまだ落ちない理由だ。

 そんな松嶋の持ち味を引き出し、伸ばし、生かそうとしているのが鶴瓶。しかし、その一方では、サラリと自分の身の回りで起こったおもしろ実話に移行してみせるテクニックをしょっちゅう披露する。つまり、『きらきらアフロTM』においては鶴瓶、松嶋もトーク泥棒の被害者であり、犠牲者であり、加害者なのだ。

 わずか30分の立ちトークのなかで、鶴瓶は2度も「『家族に乾杯』でな……」と切り出す。これは、95年からNHK総合テレビで放映されている紀行・バラエティ番組『鶴瓶の家族に乾杯』を指す。鶴瓶にとっては唯一のNHKレギュラー。公共放送を視聴しているという大衆の声がもっとも多く耳に届くため、ステイタスなのだろう。テレ東でNHKを自慢。こうなると、『きらきらアフロTM』の度量の広さが自慢である。

 『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)では、中居正広とおよそ17年にわたって司会・進行を務めている。だが、台本には、ササッと目を通すだけ。45歳の中居におんぶに抱っこだ。およそ30年にわたる中居との信頼関係がなせる業だが、先の松嶋同様、親子ほどの年齢差がある芸能人に鶴瓶は、小バカにされ、ナメられる数少ない大御所だ。

 中居からは「友だちの鶴瓶」と呼び捨てで紹介される。松嶋からはタメぐちで話される。ホントに恐ろしいのは、鶴瓶かもしれない。

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