交渉が難航している背景について、調教助手組合の元委員長だった古賀正俊氏は「使用者側が打ち出した勤続手当の平均1万1000円の減額が大きな争点になっている。勤続手当はボーナスや退職金にもかかわってくるものだけに、組合が絶対にのめるわけがない」と語る。
さらに「本来、人件費の問題は競馬にかかわっている馬主連合会、調教師会、JRA、労働組合の4者が話し合って決めるべきもの。勤続手当の減額は一部の馬主がいいだしたことで、今年の春闘は組合VS馬主の戦いの図式になっている。JRAが傍観者を決め込み、調教師会に当事者能力がない現状では、早期の解決は難しいだろう」という。
組合側はスト権行使もじさない構えを見せており、今後の交渉の結果次第で、皐月賞が行われる今週の競馬開催が中止になる恐れも出てきた。