もっとも、沢尻エリカもデビュー当初は、ファッションや行動などで多少ぶっとんだ部分はあったが、ここまで傲慢キャラではなかった。沢尻=エリカ様、女王様というキャラが確立したのは、ある誤解の結果であった。
誤解のきっかけは、「おたくキャラ」をうまく使って、芸能界でのし上がったアイドルSが、自分のブログの中で芸能界の友人や知人たちをオタク的表現の一環として「○○さまと食事しました」「○○さまは、今日も元気」と記述してしまったのだ。Sのファンたちは大部分がおたくだから、この表現に違和感は感じない。だが、おたく世代ではない「おじさん芸能ライターたち」は、勘違いしてしまった。沢尻が自分のことを「エリカさまとお呼び!」と強制したかのように誤解してしまったのだ。これが沢尻にとって不幸の始まり、誤解の始まりであった。
この風潮をBUBKAが見事に誌面に反映、各社が相乗りする形で、沢尻エリカ=エリカ様というイメージが定着してしまったのだ。しかし、先入観とは恐ろしいものである。一度植えつけられたキャラクターはなかなか覆すことができない。だが、近い将来、海外でも通用する国際的女優になる可能性が高い沢尻エリカをこのまま埋没させる手はない。彼女の再出発を先入観のない目で見守ってやるべきではないだろうか。