さて、京都金杯。まさしく“心技体”充実で新年恒例の重賞を迎えるのがエイシンデピュティだ。
ツメの弱さや精神面の不安定さで出世が遅れたが、「昨年の春あたりから、心身ともに成長がうかがえだした」という担当の甲斐助手の証言通り、3歳4月のデビューから19戦目のエプソムCで待望の重賞初制覇を飾ったのは記憶に新しいところ。大志を抱いた昨秋の毎日王冠、天皇賞は馬インフルエンザの移動制限の余波が微妙に影響して、降着など、不本意な成績に終わったが、叩き3戦目の前走・鳴尾記念でハナ差2着と完全復調を印象づけた。
「もう少し2番手の馬が我慢してくれていたら勝っていたと鞍上も悔しがっていた」とは甲斐助手。「2歳に入厩した時から抜けた素質の持ち主だと思っていたが、やっと本物になったね。来年が本当に楽しみになってきた」と笑顔を見せる。
中間もここを目標に乗り込まれ、仕上がりは万全。「大型馬らしく使って良くなっているし、馬は心身ともに昨年よりさらにたくましくなっている。ここを勝っていいお正月にしたいよね。春の最大目標は安田記念」と改めて同馬の素質に惚れ直す野元師の言葉に、業界にはびこる“偽”などはない。
まずは大器晩成を地でいくこの馬で新年のご挨拶。