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日本人は死ぬまで働き続けなければならない

 現在の日本社会では、60歳から64歳以上の高齢労働者の目的が社会参加ではなく、生活費を稼ぐためだと言う割合が7割を超えている。更に65歳以上の高齢者の就業理由も、6割以上が経済上の理由となっている。

 一昔前までは定年後は悠々自適な人生を送るという人が圧倒的に多かったと思うのだが、これは既に過去の話となりつつある。
 現在の年金制度では65歳以上にならないと国民年金の受給が出来ない。60歳で退職し、65歳までは退職金を切り崩して生活するしかない。更には老後の生活費において一月の最低限の生活費が27万必要だと計算されている。この額では当然定年後も生活費を稼ぐ必要が生じる。
 これらの話は、真面目に会社員として定年まで勤務出来た人の話である。2010年現在、2年以上の年金未納者の数は433万人、全体の23.6%にも上る。そのまま未納状態が続けば、基礎年金の受給資格期間は現在25年と決められており、未納者がそのまま最低加入年数の25年に到達しない場合は未加入者と判断されてしまう。それこそ彼らが65歳以上の高齢者になっても無年金となり、社会的な経済援助は生活保護を受給する以外方法はないと思われる。

 将来、日本の年金制度は必ず破綻をするから、自分は敢えて払っていないという者を私は今まで何人も目にしてきたが、彼らの将来の保障とは何なのだろうか。彼らの多くは個人年金すら加入していない。そう嘯くことで、自分をなだめている様にしか私には見えない。
 仮に彼らのような人間が早々と生活保護を受給して遊んで暮らしていては、真面目に生活を送って65歳まで年金を受給できない人間と比較して、まるでずる賢い人間の方が利口だという風潮になりかねない。
 現在の日本における自殺者の原因のほとんどが、病苦と生活の困窮であることを考えると、これから益々日本は高齢化社会を迎えるにあたり、現在の法制度では明らかに対応できなくなるだろう。それまでに早急な法整備を行ってもらいたいものだ。また、現在の若年層が多く受給している生活保護受給資格の見直しも必要だと私は思う。(白井正雪)

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