オクトーバーフェストはドイツのミュンヘンで毎年開かれている祭典で、1810年からの長い歴史を持つ。その日本版がドイツ大使館などの後援で企画された「日比谷オクトーバーフェスト」である。ドイツでは「オクトーバー」の言葉通り10月に開催するが、日本では新緑の季節の5月に行われる。6回目になる「日比谷オクトーバーフェスト2011」は、日・プロイセン修好通商条約調印から150年目であり、日独交流150周年も記念する。入場は無料で、飲食は有料である。
会場には多数の屋台が立ち並び、どこも長蛇の列を作っていた。日本初上陸の辛口ビール「フレンスブルガー ピルスナー」など様々なビールが提供される。ビールと言えば苦みが特徴であるが、フレーバービールは甘党も楽しめる。たとえば「フランツィスカーナ ヴァイスビア」はバナナのような香りがする。
ビールの購入はデポジット制を採用している。購入時にビール代に加えてグラス保証金1000円を支払い、飲み終わった後にグラス返却口でグラスと1000円を交換する。
会場ではビールの他にもソーセージやプレッツェル(ドイツ風パン)などのドイツ料理やワインも販売されている。ステージではドイツ楽団により乾杯の歌「アイン・プロージット」など、ドイツ音楽が演奏されている。都会のオアシス・日比谷公園で爽やかな5月に、昼間から屋外で飲むビールは格別である。初対面の人達とドイツ式の掛け声で乾杯し合うなど、会場は陽気な熱気に包まれていた。
今回は東日本大震災からの東北復興支援企画として、東北地方の地酒を販売する「東北SAKEフェスタ」も開催されている。売上金の一部は義援金として日本赤十字に寄付される予定である。(林田力)