リベンジの夏だ。今春、大阪杯で7着惨敗後、鼻出血を発症。金鯱賞→宝塚記念のプランを断念したマツリダゴッホが捲土重来を期す。
札幌記念は、秋への前哨戦以上にこだわりがある。ここ2年の成績は(7)(2)着。いかにも小回り向きといったパワフルな先行力から一昨年、昨年とともに1番人気に支持されたが、それに応えることができなかった。とりわけ、直線抜け出し、勝ったと思った瞬間、ゴール寸前でタスカータソルテに強襲された昨年は、悔やんでも悔やみきれない敗戦だった。
三度目の正直。背後からはブエナビスタの蹄音が忍び寄るが、こちらにはグランプリホースとしての意地もある。秋を実り多きものにできるか。今後を占う試金石ともいえる一戦だけに、陣営は並々ならぬ闘志を燃やす。
「昨年は勝ち馬にうまく乗られたけど、脚質的に札幌は合っている。ここでの好走は秋につながるし、ぜひとも頑張ってもらいたい」と椎本助手も腕を撫す。レース当日にはオーナーも来場する予定とあって、「ぜひいい思いをして帰ってもらいたい」と張り切っている。
もちろん調整に抜かりはない。札幌競馬場に入厩した23日以降も、順調に乗り込まれてきた。12日の1週前追い切りは、札幌競馬場のダートコース。5F64秒3、上がり3F38秒8→12秒8を馬なりでマークした。手綱を取った横山典騎手は「予定通りの追い切り。変わりなく順調ですよ」と好感触を得ていた。
また、椎本助手も「1週前はこんなもの。速い追い切りは今週で3本目だが、今週、ある程度やって、あとは来週1本やればきっちり仕上がる。順調にきているし、普段から気持ちの高ぶりやすい馬なので、レース間隔があこうが、あくまいが力は出せるはず」と出走態勢は九分通り整っている。
気になる鼻出血も「もう心配いらない」としっかりケアされた。秋にもう一度大仕事を成し遂げるためにも、真夏の札幌で復活の祭りばやしを奏でてみせる。