それにしても、何という強さだ。前半の1000メートル通過が59秒7の速い流れを2番手で追走。直線で満を持して抜け出すと、松岡騎手は後ろを振り向く余裕さえあった。
「逃げた馬(アドバンスウェイ)は前走、自分が騎乗してしぶといのが分かっていたから、終始、射程圏に入れながら乗りました。直線は追い出すのを待つ余裕があったし、かなり能力の高い馬ですね」と、松岡騎手は絶賛した。
一方、安田調教師は笑顔でこんなエピソードを打ち明けた。「レースの前、オーナーから『来年はドバイに行くからパスポートを用意しとけよ』っていわれていたんです。きょうの勝ち方を見ると、夢が現実になりそうですね」
これでダートは4戦4勝。2歳ダート王のスーニ(2着)、JDダービー2着のシルクメビウス(5位入線10着降着)を寄せ付けなかった内容から、頂点の座が見えてきた。「まだ全体的にひ弱さがある。もうひと皮むけて、たくましさが出てくれば、さらにパワーアップする」と同師。
今後はシリウスS(10月3日)からジャパンCダート(12月6日)へ向かう予定。夢は無限に広がる。