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新重賞今昔物語 セレクトグリーン 恵まれない時代に生を受けた砂のスプリンター

 今ではGI・フェブラリーSの前哨戦としてすっかり定着した根岸Sだが、セレクトグリーンが勝った1999年当時は11月の東京開催で施行されていた。GIレースとの関連性がはっきりしない短距離のGIIIで、距離も現在の1400メートルではなく、1200メートルで行われていた。

 とはいえ、ダートの電撃戦を得意にしている馬が集まり、なかなか見応えのあるレースが繰り広げられていたことは当時から変わりない。
 今回、取り上げる99年はセレクトグリーンの強さだけが際立つ結果となった。快速馬トキオパーフェクト、ゲイリーコンドルあたりがつくるハイペースを、セレクトは3番手で楽々と流れに乗った。直線に向いても手応えは十分。軽く仕掛けられるとあっさり抜け出し、ほとんど追うところなしでトキオパーフェクトに2馬身1/2差をつける圧勝。98年2着の雪辱を果たし、1番人気に応えてみせた。

 さらに驚かされたのは走破時計だ。1分9秒2は従来のレコードを0秒3も上回った。しかも、従来のレコードは、ニシノオトヒメが98年10月に重馬場で記録したもの。パワーのいる良馬場で更新したセレクトの脚力には恐れ入るばかりだ。
 しかし、この馬、旬の時期は短かった。重賞勝ちはこのひとつだけ。その後はGIII・ガーネットSと霜月Sで2着はあったものの、ついに勝ち星に恵まれず引退した。当時は中央、地方を含めて今ほどダートの短距離路線が整備されておらず、純然たる砂のスプリンターだったセレクトには生きにくい時代だったのかもしれない。
 そのせいか、ダートでこれだけ際立った強さを見せていながら、芝にもGI・スプリンターズSなど10度挑戦している。だが、一度も勝つことはできなかった。生まれた年がもう少し遅ければ、もっと実績を残せたのではないか。それほど高い能力を秘めた馬だった。

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