search
とじる
トップ > レジャー > キャバ嬢が生まれる瞬間(36)〜時給に惹かれキャバ嬢になった女〜

キャバ嬢が生まれる瞬間(36)〜時給に惹かれキャバ嬢になった女〜

樋田慶子(仮名・27歳)

 私はキャバクラで働く前は、ピンクサロンで働いていた。昔からしゃべりが得意な方じゃなかったし、かといって過激なサービスをする労力もなく、手や口を使いお客さんと接する仕事についた。だけどキャバクラのようにトーク時間が長くない一方で、体を使うわけだから、いつしか手は腱鞘炎になり、顎も関節症で苦しめられることに。

 そういう状態になって、もう別の仕事をしようかなと考えていたときにお客さんで、キャバクラの経営をやってるという人が来店した。私がもうすぐ辞めるからって伝えると、うちの店に来ないかと誘ってきたんだよね。でもその時は無理だなと思った。だって水商売は人付き合いや駆け引きが面白いって思っている子はホステスとして続くと思うんだけど、私みたいにその日単位で働いた大金を手にしたいと考えているなら風俗しかないんじゃないかと思ってた。

 でもそのお客さんはそれでも大丈夫と言った。そしてキャバクラとしては破格の給料を提示してきたんだよね。彼が言うには他のキャバクラのように、店内での接客、メール交換、同伴などは無理してがんばらなくていいと。ただ店外デートにだけは誘われたら行ってほしいとのことだった。最初は無理って断って名刺だけもらったんだけど、しばらくして無職になりお金がなくなってくると、今更普通のバイトをする気にもなれず、電話してしまった。

 場所はS宿で、見た目も普通のキャバクラと変わらない。店内でのサービスも性的なものは一切なし。だけどお客さんによっては“アフターに行こう”と持ちかけてくるから、少し高級なシャンパンを入れてくれたらいいよと言って、ホテルへ行く。それが店の方針だった。ホテルでは腱鞘炎のことをちゃんと説明して、避妊も徹底してもらうから、労働的にはそこまで大変じゃないかな。あと風俗に来る人より、見た目も小奇麗だし、紳士な人が多いからそこは少しうれしい。

 キャバクラの中で、私が今いる店はとても特殊なタイプだと思うけど、店長は“指名が取れないなら枕をするしかない”ってのが口癖だし、確かにそう思う。私達の時給もそういう暗黙の了解があるから高いんだろう、今はとりあえず、ここで働いてがんばろうと思う。先のことはまだわかりません。

(取材/構成・篠田エレナ)

関連記事


レジャー→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

レジャー→

もっと見る→

注目タグ