日本でも古くは『少年ケニア』『狼少年ケン』はたまた『仮面ライダーアマゾン』なども野生児モノのひとつとして数えられている。
さて、実在した野生児というと「オオカミ少女」として有名な「アマラとカマラ」がいる。1920年にインドで発見された彼女らはオオカミに育てられその後、インドの牧師に保護された。保護されたふたりは「顎の骨が発達」「牙がとがっている」「闇夜でも目が見える」など自然を生き抜くため独自の進化を遂げており世間の注目を集めた。残念ながら「アマラとカマラ」は保護後、最初にアマラがその後にカマラが死亡し「オオカミ少女」は有名な都市伝説のひとつとなった。
しかし、世界ではその後も断続的に野生児が発見されている。
1920年にはインドで豹に育てられた少年が、1933年にはエルサルバドルで「小ターザン」と呼ばれた5歳の少年が保護された。
最近では流石に野生児の発見は少なくなってはいるが実は今から約半世紀前、1960年には「サハラのカモシカ少年」なる野生児が確認されている。
スペインの人類学者はサハラにてカモシカ(ガゼル)と生活をしている裸の少年を目撃する。少年はカモシカの群れとものすごいスピードで走り、草を食べ、時々トカゲやミミズなどを捕獲し生活していたという。
人類学者は「カモシカ少年」を保護するため1966年、1970年に計画を実行したが失敗し、とうとう行方不明となってしまった。
今回、紹介している写真が在りし日のカモシカ少年を撮影したものだとされている(2足歩行で立っており、体に傷一つ付いていないことからフェイク説もある)。
もし、この少年が生きているならば現在60代前半。人間ならば十分に生きている可能性はあるが再び我々の前に現れることはあるのだろうか…。
文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所