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球宴ファン投票発表異変

 28日、オールスター運営委員会から発表されたオールスターファン投票最終結果は、異変が起こっていた。1週間前の中間最終発表では、昨年のリーグ覇者の巨人と日本ハムが6ポジション1位と独占状態だったのに、それぞれ3、2ポジションに激減した。さらに両リーグ最多得票は初選出のマエケンこと広島の新エース・前田健太という、新風も吹いている。

 巨人勢でトップを守り抜いたのは、中継ぎ・越智、三塁・小笠原、遊撃・坂本の3人だけ。捕手・阿部が阪神・城島、一塁・高橋は広島・栗原に逆転されている。外野手部門の1位だった松本もヤクルト・青木に抜かれ、2位での選出。6ポジション1位から半減の3ポジションになっている。
 ただ人数的には、外野手の3位にもラミレスが入っており、合計5人。地元・福岡ドームでオールスター開催のソフトバンクと並ぶ、球団別最多タイになっている。なんとか最低限の面目を保ったといえるか。それでも中間最終発表の段階では、6ポジション1位、7人の大量選出が期待されていただけに、素直には喜べないだろう。
 5人は堀内政権1年目の2004年、上原(現オリオールズ)、阿部、小久保(現ソフトバンク)、二岡(現日本ハム)、ローズ、高橋の6人以来、6年ぶりになる。7人が実現していれば、長嶋第二次政権最終年の01年の上原、岡島(現レッドソックス)、清原、仁志、江藤(現二軍コーチ)、松井(現エンゼルス)、高橋以来、9年ぶりのことだったのに…。

 日本ハムは巨人以上の急失速だった。ファン投票1位を死守したのは、外野手の稲葉、DHの二岡の2人だけ。先発・ダルビッシュが杉内、中継ぎ・宮西はファルケンボーグと、ソフトバンクコンビに逆転されている。捕手・鶴岡、二塁手・田中も里崎、井口のロッテコンビに抜かれている。さらに、外野部門で2、3位だった糸井、森本が4、5位に落ち、8人大量選出の可能性が一気に4分の1の2人になってしまったのだ。
 が、こちら日本ハムの場合は激減したおかげで問題が起きなかったから、不幸中の幸いともいえる。というのは、ここへきてチーム状態は急上昇中だが、まだ現状は5位(28日現在)。8人もの選手が当選したら、またぞろ組織票批判騒動が起きかねなかった。
 32年前の1978年、高橋直、加藤、柏原、富田、古屋、菅野、ミッチェル、千藤の8人もがファン投票で選ばれ、「どう見てもおかしい。組織票だ」と厳しい批判の声が噴出。古屋、菅野の2人が辞退する異常事態になっている。悪夢再びを回避できたのだから、日本ハムとすれば、むしろ結果オーライだろう。
 新スター待望論を強く感じさせたのが、43万5375票という、広島・前田の両リーグ最多得票だ。セ惨敗で「パ高セ低」ぶりを改めて露呈した今年の交流戦で唯一、セ・リーグのヒーローになったのが前田だ。「ダルビッシュ、岩隈、田中、杉内、涌井と、日本を代表する投手はパ球団ばかりだったが、ようやくセ・リーグにも前田のような力のある本格派の投手がでてきた」と、球界OB、球界関係者から絶賛されている。両リーグ通じての最多得票は、ファンも日本球界を代表するエース候補として、前田を認知したということになる。

 パ・リーグの最多得票も、36万358票を集めたロッテの新4番・金泰均だ。ファンは常に新しいスターを求めている。パの外野手部門2位に売り出し中のオリックス・T-岡田が選ばれたのもその現れだろう。そんな中、番外で面白いのは、3位にソフトバンク・多村が入ったことだ。16年目で初めてのオールスター出場、しかもファン投票で選ばれるとは、まさに珍事だろう。毎年、意外性のある話題には事欠かない球宴ファン投票だが、今年も異変は起きた。

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