前哨戦の毎日王冠に続き、ウオッカを撃破。カンパニーが名実ともに中距離ナンバーワンの座を射止めた。衰えを知らぬ8歳馬のパワーにはただただ頭が下がる。
「パドックで跨ったとき、今日が今までで一番いい状態だと感じた」と横山典騎手。「あとは不利なく自分の競馬をすれば、結果はついてくると信じてました」
レースは、イメージ通りに運んだ。「1頭になるとソラを使うところがある。でも、スクリーンヒーローがいい目標になってくれた」。馬場の内から直線先に抜け出したスクリーンヒーローをターゲットに、道中じっくり温存していた伝家の宝刀を一気に爆発。メンバー最速タイとなる上がり3F32秒9の末脚で2着以下を1馬身3/4突き放すケチのつけようがない勝利だった。
音無調教師は「(カンパニーとは)2歳から6年間の付き合い。この日がくるのをずっと夢見ていたので、最高にうれしい。状態は(毎日王冠を勝って)さらに良くなっていたし、横山典騎手も満点の騎乗をしてくれました」と感無量の面持ちで振り返った。
8歳馬で頂点を極めたカンパニー。しかし、天皇賞はあくまで序章にすぎない。「次は予定通り、マイルCSに行きます」とトレーナーは宣言した。「普段の素振り、気性は若いし、8歳馬とは思ってません(笑)。今日、結果が出なくても、来年も現役続行のサインが出ていました」
また、横山典騎手は「今日はオジサン世代に力を与えられてよかった。8歳馬だが、まだ進化を続けているし、人知の及ばない馬ですよ」とオールドファンにエールを送った。
常識では測れないカンパニーの飽くなきチャレンジは、まだまだ続く。