久々に立つスプリントGIの大舞台だ。マルカフェニックスは昨年の高松宮記念、4番手で先行したものの、前へ行ったことが裏目に出た。自慢の切れ味がそがれ、結果は9着敗退となった。その時の教訓を生かして今回は自慢の粘っこい差し脚を存分に引き出す戦法だ。
「弓を引いてグンと弾けるのではなく、いい脚を長く使うタイプ。前がやり合ってくれればGIでもチャンスはあると思う」
今年に入ってからは(15)(16)(9)(5)着と結果が出ていない。しかし、中山助手は着実な復調ぶりを感じ取っている。それを証明したのが1週前追い。栗東坂路で800メートル50秒9、ラスト1F12秒4秒の快時計をマークした。
「前走のセントウルSでも仕上がりは良かったけど、もっと使い込んだ方がいいタイプなんだ。ケイコの動きひとつ取っても今シーズンで一番の状態。胸を張って出せるよ」
オープン入りしてから1200メートル戦では未勝利…しかし、条件戦を4連勝したのはこの1200メートル戦であり、昨年の北九州記念(2着)ではスリープレスナイトとV争いを演じたほどだ。何より過去、この馬にまたがったジョッキーたちは皆、乗り味の良さを口にしている。
「今回は豪州馬やアルティマトゥーレなど前へ行く馬が多い。それらをまわりが早めに捕らえにいけば展開が向く可能性は高い。具合もいいので一発狙っていくよ」
秋最初の番狂わせはマルカフェニックスが演出する。