現在、新日本プロレスと猪木は疎遠の状態にあり、交流は不可能と思われてきた。宮戸GMはそうした状況を踏まえた上で、「いまのプロレス界の中にあって、非常に勇気ある発言。IWGPの世界統一という理念に基づいた発言だと思いました。これはまさしくIGFが目指しているものであります」とコメント。中邑を敵対視するのではなく共鳴者とみなし、言葉を続けた。
「こういうエネルギーが出てきたのは本当に素晴らしい。新日本さんも会社としてはいろんなお考えがあると思いますが、プロレス界のために、レスラーの本音、闘魂の部分が発展するようにバックアップしていただければと思います」
中邑を受け入れる意思を明確にしたIGFは、闘いの候補地に11・3JCBホール大会をあげた。ただし、ゴリ押しするつもりはない。
宇田川EDは「中邑選手が参戦するかは彼次第ですし、我々は逃げも隠れもしません。戦わないまでも見に来られるようであれば席を用意して待っています」と発言。
猪木は引退しているため、直接対決は実現できないが、宮戸GMは「11月3日、上から下まで見ていただいて、じゃあコイツと栄誉をかけてやろうじゃないかというのがあれば、指名していただくのもありかと思います」と中邑の意向を汲む考えである。
また、事態が進展をせずJCBホール大会を終えた場合は「いつでもどこでも、どんな選手でも用意します」(宇田川ED)と門戸を閉じず、特別興行を開く可能性も視野に入れる。
猪木は現在、ニューヨークに滞在中で10月中旬に帰国予定だが、中邑発言は耳に届いており、IGFは「今回の会見の内容は猪木の意思を反映したもの」という。次なる局面がまったく読めない中邑VS猪木のIWGP闘争から、目が離せそうにない。
打倒アントニオ猪木を掲げた新日本プロレスの中邑真輔は「猪木さん本人の言葉を聞きたい」と態度を崩さなかった。27日の神戸大会で新王者となり、リング上で「イノキ〜! 旧IWGP王座は俺が取り返す」と猪木にケンカを売った中邑。
この日はIGFサイドから、11・3JCBホール大会の来場を要求されたが、あくまで「代理人とか代弁者じゃなくて猪木さん本人の言葉を聞きたい」とのスタンスを固持し「今日IGFさんが会見されるということで、他の方にも聞かれましたけど、自分としては時間もない。その気ならすぐ話はつくだろうし、スルーされるならされるでね」と語っていた。