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八王子通り魔 33歳容疑者には脱フリーター願望があった!?

 東京都八王子市の京王八王子駅ビル9階の書店で、アルバイト店員の中央大4年斉木愛(まな)さん(22)が刺殺された事件で、殺人未遂の疑いで逮捕された八王子市の自称会社員菅野昭一容疑者(33)が、市内の航空部品メーカー工員として試用期間中だったとの情報が23日までに浮上。一部報道では、父親を名乗る人物が同容疑者のフリーター暮らしを説明しており、犯行の背景に“脱フリーター願望”があった可能性が出てきた。

 同容疑者は警視庁捜査一課と八王子署の調べに対し、「仕事のことで家族とトラブルになり、むしゃくしゃしてとっさに無差別に人を殺そうと決意した。仕事がうまくいかず、両親に相談したが乗ってくれなかった」などと供述している。
 一部報道によると、同容疑者は5月頃、航空部品などを扱う市内の製造会社に工員として入社。試用期間1カ月との約束で働き始めたが、ほどなくして機械に指を挟んでケガをしたため、仕事を休むようになった。その間の生活は休業補償でまかなっており、今月初めに父親と職場復帰面談に臨んだ際には、8月から復帰できるとして「早く仕事がしたい」などと前向きだったという。
 別の報道では、容疑者宅の電話に出た父親と名乗る人物が、同容疑者について「フリーターのような生活をしていた」と話したとされ、本人や家族にとって「定職」に就くことがひとつのポイントだったことは間違いなさそう。
 職場復帰になんらかの障害があったのか、詳しい事情は分からないが、秋葉原無差別殺傷事件の派遣社員加藤智大容疑者(25)=鑑定留置中=がそうだったように、菅野容疑者もまた社会的地位を気にしていた様子が伺える。
 調べでは、同容疑者は22日午後9時40分ごろ、書店で働いていた斉木さんを、隠し持っていた刃渡り約15センチの文化包丁で刺した疑い。近くにいた女性客・原田夏希さん(21)も左胸や腕などを切りつけられ負傷した。いずれも秋葉原殺傷事件と同じく、無言で近づいて刺す犯行態様だった。
 捜査一課などは家族とのトラブルが引き金となり、通り魔の犯行を決意したとみて、容疑を殺人に切り替えて犯行に至った詳しい経緯を調べる。
 現場の啓文堂書店が入居する京王八王子駅ビルは、本紙都内版でレストラン街のメガフードフェアを昨日紹介したばかりだった。

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