野球を楽しめなくなり競技から離れてしまいそうな子どもたちに、「野球の楽しさ」を思い出してもらうため企画された今回のコラボイベント。吉本興業に所属する芸人とスポーツ選手たちが小学生約50名と汗を流した。2019年は闇営業問題で世間の関心を集めた同社だが、斎藤コーチは「そういうのがあったからこそ、こういう活動を吉本としてすることができて良かったと思うし、どんどんやっていくべきだなと。スポーツ選手が芸人の方々と一緒にできるのは貴重な機会」と語り、遠藤も「吉本はワンチーム」と続けるなど、新たな試みに手ごたえを感じている様子だった。
参加した子どもたちからの相談コーナーでは、「キャプテンとしてチームをまとめるのに苦労しています」という悩みに、阪神で主将を務めた福留選手は「チームのためを考えて自分が言うべきだと思ったら、友だちとして『こうした方がいいよ』と言った方がいい」とアドバイス。「中学生になると体格やパワーで男子に負けてしまうのでどうすればよいか」という小学生女子の質問には牧田選手が回答。2年間のメジャー挑戦を経て、先ごろ楽天に入団した牧田選手は「アメリカで自分の良さを出せば生きる道はあると思った。パワー以外でも男子に勝てるところがあるはず」とエールを送った。
「勝てなくて楽しくない」という小学生の悩みに答えたのは上田選手。所属するヤクルトは今年5月から6月にかけてセ・リーグ記録に並ぶ16連敗と低迷。自身は怪我で出場できなかったものの、「負けることが当たり前になって、練習でも沈んでいた」チームの雰囲気を変えるため、「笑いを起こそうと。青木(宣親)さんが丸刈りにしたり、ウケなくてもいいから自分が盛り上げる気持ちで」発奮。見事連敗を脱出したチームの内幕を明かした。
イベントでは、おばたのお兄さんによる準備体操とキャッチボールに続いて、集まった小学生約50名を相手にバッティングや野手・投手のコツを伝授。2組に分かれた紅白戦は、2回裏に斎藤コーチ率いるBチームが2点を先取すると、5回表に福留選手のAチームが足を絡めた攻撃で同点に追いつく好ゲームとなった。