夏場は北海道を主戦場に置く名門・藤沢和厩舎が、開幕週の福島メーンにスポット参戦してきた。送り出す“刺客”は父にサンデーサイレンスをもち、叔母は2冠馬スティルインラブという良血馬ピサノパテックだ。
前走・メトロポリタンSは「距離が長くて持ち味が生かせなかった」(蛯名騎手)にもかかわらず4着と健闘。その後は新潟大賞典を目指していたが、除外の憂き目に遭ったため、いったん放牧に出された。
「5月29日に帰厩してから、ここまですこぶる順調にきている」と土田助手。中間は追い切り9本と入念に乗り込まれており、15日にはWコースで5F62秒9の好時計を馬なりでマーク。出走態勢はすでに整っている。
昨年(6着)はゲートをモッサリ出て後方からの競馬を余儀なくされたが、「今は先行力があるし、センスもいい馬だから、小回りの福島コースもまったく問題ない」と同助手。「もともと重賞を勝てると期待していた馬だし、脚をためられればチャンスは十分ある」と期待を込めた。
3歳時にはセントライト記念で3着した素質馬が、ここを“踏み台”に夏のローカルを席巻する。