最初と最後の1F以外すべて12秒を切る厳しいラップが刻まれたエプソムC。末脚を身上とするサンライズマックス&横山典騎手のコンビにとって、この流れはまさしくドンピシャリだった。道中は中団の後方。徐々にポジションを上げていき、4角では完全に前を射程にとらえた。
「(直線では)一回ヒカルオオゾラに離されたが、そこから頑張ってくれた」と横山典。「体は小さいけど、切れそうな感じがした」とテン乗りながら、パーフェクトな手綱さばきで勝利に導いた。勝ちタイムも最終週にして1分45秒9は立派。文句なしの快勝劇だったといえよう。
また、横山典はこの勝利で史上5人目となるJRA重賞通算100勝目をマーク。ゴール直後に“雄たけび”をあげたことを問われると、「区切りだったんでね」。照れくさそうに話した姿が印象的だった。
一方、増本師は開口一番、「強いやろ」と満足げな表情。昨暮れの中日新聞杯に続く2つ目のタイトル獲得に、「一頭になるとダメな馬なんだけど、ジョッキーがうまく乗ってくれた」と笑顔で振り返った。
戦列復帰して3戦。今後はサマー2000シリーズも控えているが、この日の勝利で陣営はさらなる高みを目指すことを決断した。「小柄な馬なので、夏場は放牧に出します。秋は天皇賞に向かいたい」と期待に胸を膨らませていた。
もちろん、それに向けての課題もある。きょう下した2着馬はオープンに上がったばかり、3着馬もピークを過ぎた8歳馬だった。3走前の大阪杯(10着)、一線級を相手に手も足も出なかった差をどこまで縮めるかは、今夏の成長の度合にかかっている。