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火の国・熊本から南関に参戦 牧野孝光騎手に迫る

 火の国・熊本の荒尾競馬からやってきたベテランが奮闘中だ。
 1981年11月1日のデビュー以来、騎乗したレースは1万4493戦(中央21戦)を数える。重賞30勝を含む2483勝(中央0勝)を挙げ、荒尾競馬通算最多勝記録を更新中の牧野孝光騎手が、1月14日から3月14日まで南関東(期間中は大井・荒井隆厩舎所属)で期間限定騎乗を行っている。
 最初の1週間を終え、勝ち星はゼロ。アウエーの洗礼を受けた。
 「荒尾では3角くらいから仕掛けることが多いけど、直線の長い大井は向こうの感覚で仕掛けると途中で止まっちゃうから我慢しないといけない」
 「荒尾は内側の砂が深く、4頭分くらい内ラチから離れて乗るのが常だけど、こちらは内側も普通に走るからコース取りでまだ戸惑いがあるね」

 試行錯誤を繰り返す日々だが、そこは百戦錬磨のベテラン。「レースの流れには慣れてきた」と徐々に感覚はつかんできている。
 「南関のジョッキーはレベルが高いし、自分の実力を試すいいチャンス。技術面で足りないところを見つけて帰りたい。『向こうのもんに負けないように』っていわれて送り出されてきたからね」
 南関東では全日本リーディングジョッキーで騎乗したことのある大井以外は初騎乗だ。南関の限定騎乗制度には2000勝(北海道1000勝)以上という高いハードルがあり、他地区のジョッキーはそう簡単にはこれないが、「貴重な経験を荒尾の若い子に伝えたい」と意気込みを語った。
 有明海に面し、スタンドからは雲仙普賢岳も見えるという風光明媚な競馬場からやってきたベテランが南関に熱を注ぐ。

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