わずか3カ月前の8月28日には、星野さんのタッグパートナーで、新日本の鬼コーチとして有名だった山本小鉄さん(享年68歳)が死去。その際、闘病中であった星野さんは、小鉄さんの死を聞いて号泣したという。まさに、小鉄さんの後を追うかのような星野さんの死に、胸を痛めた関係者は多い。
今年のプロレス界には訃報が相次いだ。年明け早々の1月16日には、日プロ、新日本でプロレスラー、レフェリーとして活躍した柴田勝久さん(享年66歳)が亡くなった。柴田さんは現在、総合格闘技団体DREAM等でファイトする柴田勝頼の父親で、親子2代にわたるプロレスラーとして話題をまいた。
5月24日には、“マイクパフォーマンスの鬼”として、人気があった元プロレスリング・ノアのラッシャー木村さんが、68歳で亡くなった。ノアでは現役の監査役兼GHCタイトル管理委員長であったジョー樋口さん(享年81歳)が亡くなったばかり。
11月20日には、みちのくプロレスなどでファイトした“かに道楽仮面”愚乱・浪花さんが、10月6日に33歳の若さで亡くなっていたことが公表され、プロレス界に衝撃を与えた。
厚生労働省によると、日本人男性の平均寿命は79.59歳(09年のデータ)とされている。亡くなったプロレスラーの方々は、樋口さんを除き、平均寿命より、かなり早く命を失ったことになる。
スポーツマンを中心に治療活動を行なっている整形外科医のA医師は、「プロレスラーは常に受け身を取らなければなりません。また、打撃技や投げ技で脳へのダメージは大きいのです。昔のプロレスラーは年間200〜300試合をこなしていたわけですから、ダメージの蓄積は少なくはないでしょう。それと寿命との関係は明確に証明されてはいませんが、否定はできないと思います。樋口さんはプロレスラーとしては長寿の方に入りますが、彼は若くして引退して、レフェリーに転向していますから、ダメージの蓄積も少なかったのでは…」と語る。
身を削ってファイトし、ファンに感動を与えるプロレスラー。その代償として、寿命をも削っているのならば、いたたまれぬ思いになる。
亡くなった星野さんには、慎んで哀悼の意を表します。
(最強プロレスサイトBATTLENET ミカエル・コバタ)