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キャバ嬢が生まれる瞬間(86)〜安心して働きたかった愛実〜

笹井愛実(仮名・21歳)

 生きていく上で、なるべく怖い人とは関わりたくないと思っている。それは学生時代にいた不良だったり、闇社会で生きる人だったりと、とにかく普通じゃない人たち。それは子供の頃に実家へ出入りしていた大人の影響が大きいからなのかも。親が多額の借金をしていたことで、私の家には連日、大きな声をあげる男たちが押しかけていた。見た目はサングラスをかけた人や、半そでで腕を上げる瞬間に刺青が見え隠れする人など色々だった。

 それから親は親戚とかに必死に頭を下げて、お金を借り、返済したことで、怖い人達は来なくなった。でもまだ人から借りた借金やローン返済とかは終わっていない。だから私は大人になると、実家にお金を入れなきゃならなくなった。それでお金を稼ぐなら、やっぱり水商売しかないと思ったんだけど、そういう場所って怖い人がいっぱい出入りしてそうなイメージでしょ。

 当初は、キャバクラの漠然としたイメージが先行して歌舞伎町や六本木で働こうと思ったんだけど、そういう場所はやっぱり怖い系の人が一部出入りしていると噂を聞いた。それで色々調べた結果、もっとも安全と言われているのが神田のキャバクラだった。神田といえばサラリーマンの聖地と呼ばれるほど一般企業の勤め人の多い場所だよね。だからキャバに来るお客さんも、家庭を持ったサラリーマンだったり、きちんとマナーの行き届いた人が多いのだそう。

 それで実際に働いてみたら、噂通りだった。あとサラリーマンといっても、部長クラスの人がストレス解消で来店することも珍しくない。私はお店ではあまり深刻な借金の話はしないんだけど、それでも家族が貧しくて家にお金を送っているということを、明るい感じで話すと、おじさんたちは応援してくれる。それが指名に繋がるときもあるしね。これからも、家族を養うためにがんばって働いてナンバー1を目指します。

(取材/構成/篠田エレナ)

写真・RinzeWind

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