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朝ドラ惨敗女優・多部未華子を待ち受ける、初主演舞台『農業少女』の“アクの強い”共演者たち!

 NHK朝の連続テレビ小説・80作目「つばさ」に主演していた多部未華子。現在放送中の「不毛地帯」(フジテレビ系)にも出演中だが、子供の頃ミュージカル「アニー」を観劇し、女優を志した彼女が、念願の舞台作品に挑戦する。
 3月から東京芸術劇場で上演される野田秀樹作、松尾スズキ演出の『農業少女』は、“アクの強い”共演者たちに囲まれ、今度こそ多部の真の演技力が試される。前売りチケット完売で期待度が高い『農業少女』で、彼女は「朝ドラ惨敗女優」の汚名返上なるか。

 池袋にある東京芸術劇場は、唯一都が運営する劇場。2008年4月、野田秀樹が芸術監督に就任した事によって、衰退ぎみの現代演劇界に新風を送り込む大改革が行われている。多部が主演する『農業少女』は小ホール1という、昨年大盛況だった大竹しのぶ主演「ザ・ダイバー」(野田秀樹作、演出)も上演された“せまい劇場”で行われ、観客は役者の表情や動きが手に取るように分かる。一般のチケットは6,500円と高額だが、25歳以下1,000円というオドロキの値段設定は、演劇離れが進む若い世代へのアピール。それは大事な事かもしれないが、ずっと野田や松尾の作品を応援してきたアラフォー世代には痛い出費だ。

 多部が初の平成生まれのヒロインにして、全都道府県ラストの埼玉県(川越市)が舞台となり話題になった連続テレビ小説「つばさ」。しかしスタートするやいなや、西城秀樹が引き連れるサンバ隊や、古い町並みの商店街以外さして目玉のないご当地ぶりがアダとなり、平均視聴率は14%前後。宮崎あおい主演の「純情きらり」が20%前後、石原さとみ主演の「てるてる家族」が最高22%を記録した事を指摘され、多部未華子は「朝ドラ惨敗女優」の仲間入りをしてしまった。実際のところ、彼女の演技力や魅力はまだまだ未知の部分が多い。

 多部未華子は中学生の頃スカウトされてヒラタオフィスに所属。宮崎あおいも所属するここには他に工藤夕貴などがいるが、今現在この二人が事務所のドル箱女優だ。数々の映画に出演し、「山田太郎ものがたり」(TBS系)で連続ドラマ初出演以降、「鹿男あをによし」(フジテレビ系)、「ヤスコとケンジ」(日本テレビ系)、「つばさ」(NHK総合)、「不毛地帯」(フジテレビ系)と、各局まんべんなくドラマに出演。色気は無いが、老若男女、誰からも愛されるキャラクターでCM人気も高い。

 そんなアイドル的な要素の高い多部が挑戦する『農業少女』は、一筋縄ではいかない演劇だ。
 ただでさえ難解な野田作品を、現在現代劇ではトップの人気を誇る劇団「大人計画」の松尾スズキが演出。共演に、個性的な脇役俳優の山崎一、「毛皮族」の江本純子、そして陰湿でダークな役どころが定番の吹越満が登場。多部以外は皆大人で、演技に至っては“オオカミの様な野心”を持つ面々である。この中に放たれる“無防備な羊”の多部未華子。持ち前ののびのびした個性を発揮できるか。(コアラみどり)

写真 東京芸術劇場『農業少女』宣伝チラシより

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